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日仏2+2実施、空母シャルル・ド・ゴールと共同訓練
インド洋実施で調整、特別なパートナーシップ強化
日本とフランスによる第5回日仏外務・防衛閣僚会合(2+2)および日仏防衛相会談は、フランス・ブレストで現地時間の1月11日に開かれ、インド・太平洋地域をはじめとした地域情勢や、日仏両国の防衛協力などについて協議を行った。日本側から河野太郎外務大臣および岩屋毅防衛大臣と、仏側からジャン=イヴ・ル・ドリアン仏欧州・外務大臣およびフロランス・パルリ仏軍事大臣が参加した。
会合の中で、「自由で開かれたインド太平洋」のビジョンを共有したとして、仏海軍空母「シャルル・ド・ゴール」が今年、インド洋へ展開する機会を捉えて共同訓練を実施することで一致。さらに北朝鮮の違法な“瀬取り”を監視するため、仏側から航空機・艦艇を派遣する意向が示され、日本側がこれを歓迎した。日本は、アメリカ、オーストラリアのみならず、欧州各国とも連携を深めて、地域の平和と安定に貢献する。また両国は「特別なパートナーシップ」に向けて、2019年から2023年にかけて新しいロードマップを作成する意思を表明した。
日仏両国は2+2の共同声明で、昨年2月に仏海軍フリゲート「ヴァンデミエール」が日本へ寄港した際に共同訓練を行ったことを踏まえ、今年は「シャルル・ド・ゴール」を中心とする空母機動群がインド洋へ展開する機会を捉えて、共同訓練を実施することで一致した。さらに、インド太平洋地域における両国の共同訓練・演習を全軍種で定期的かつ実践的に進めていくという。
これは、日仏両国のインド太平洋地域のビジョンに多くの共通点があったとして、同地域を平和と繁栄の地域とする協力の一環。海洋状況把握(MDA)を含む海洋安全保障や、東南アジア諸国、太平洋島嶼国での能力構築支援などの分野で協力し、それによる相乗効果を促進していくとした。特に海洋分野では、お互いの協力を具体化するため、日仏で包括的海洋対話を立ち上げることを決定した。
特にインド太平洋方面のうち東シナ海および南シナ海では、中国による緊張を高める一方的な行動に強く反対する姿勢を示した。現在の状況について、引き続き強い懸念を表明した上で、COC策定交渉などの外交的取組みによって係争地の非軍事化へつながるべきだと確認した。
岩屋毅防衛大臣は、日仏防衛相会談を終えた際に会見し、主に東シナ海および南シナ海で海洋進出を強める中国について仏側に説明したという。同地域の海洋安保分野で「一層強力関係を強化していく必要がある」との考え方で一致したということで、それを踏まえて「シャルル・ド・ゴール」との日仏共同訓練では、お互いの協力関係や、可能な共同演習について、今後当局間で検討を進めるとのこと。
仏軍、上半期に瀬取り監視で哨戒機・艦艇派遣
また、北朝鮮の“瀬取り”監視に関して、仏側から哨戒機・艦艇を派遣するとして、日本側から歓迎の意を示した。今年上半期には派遣を受ける予定だ。日仏両国は、2018年6月12日の米朝首脳会談をはじめとした、関係各国の外交的努力を歓迎。北朝鮮によるすべての大量破壊兵器およびあらゆる射程の弾道ミサイルについて、完全で検証可能、かつ不可逆的な廃棄(CVID)を実現することと、安保理決議の完全な履行の必要性について、改めて一致したとし、安保理決議の完全な履行に向けて、引き続き緊密に連携していくことを確認した。
また仏側は、北朝鮮の拉致被害者について、全日本国民の即時帰国へ努力するとし、日本への連帯を表明した。
日仏輸出管理措置委員会の早期開催へ
※写真1=日仏2+2で撮影(提供:防衛省)
※写真2=パルリ仏軍事大臣から歓迎を受ける岩屋防衛相(提供:防衛省)