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2024.11.21

ウイングトラベル

★ANA総研調べ、冬スケ日本着国際線座席数2746万席

 前年同期比405万席増、コロナ前を326万席上回る

 ANA総合研究所は11月20日、航空会社各社が2024年冬季スケジュールに計画している日本着国際線提供座席数をまとめ、公表した。それによれば、期間中の国際線航空輸送提供座席計画は2746万席が計画されているとのこと。これは2023年冬季スケジュール実績に比べて405万席もの供給増となり、コロナ禍前の2019年冬ケジュール実績と比較しても、326万席上回るとした。
 海外就航地別では南北米大陸・ハワイ等含む近隣諸島地域が257万席に。これはコロナ前の19年比で96%(4%減)の水準だ。コロナ前の2019年冬スケジュールに比べてニューヨーク線、サンフランシスコ線、ロサンゼルス線の供給量が増加した一方、ホノルル線は26万席減、コナ線も4.8万席減となるなど、ハワイ関連路線の供給量減少が顕著に目立った。
 さらに、欧州・中近東・アフリカと近隣諸島地域の座席供給量は145万席で、19年冬スケジュール比87.7%(12.3%減)となる。欧州・中近東・アフリカと近隣諸島地域回復の遅れは、例えば欧州線はロシアによるウクライナ侵攻が続き、ロシア上空ルートを通過することができず運航効率が悪化していることが背景にあるとみられる。ドーハ、イスタンブール、ザイ―ドといった路線の座席供給量が拡大したものの、モスクワ線、ヘルシンキ線、パリ線の座席供給量が減少した。
 一方、アジア(中近東を除く)・オセアニアおよび近隣諸島地域の供給量は2344万席と、19年冬スケジュールの供給量を17.9%上回った。コロナ前に比べてソウル線は232.3万席以上増加しているほか、台北線も62.4万席増、香港線も59.9万席増加する計画だ。その一方、バンコク線は39.5万席減、グアムせんも21.6万席減少する。
 こうした結果、日本着国際線の構成比は、南北米大陸・ハワイ等含む近隣諸島地域が9.3%に、欧州・中近東・アフリカと近隣諸島地域は5.2%へとそれぞれ縮小。アジア(中近東を除く)・オセアニアおよび近隣諸島地域は85.3%へと拡大した。
 また、日本国内就航地別にみると、成田・羽田の首都圏2空港が1399万席にのぼり、19年冬スケジュール実績を8.4%上回った。さらに、関西空港は65万席(19冬比:18.0%増)となり、この3空港を除いた日本国内33空港総計でも689万席(19冬比:120.1%)と、コロナ前の実績を大きく上回っていることが浮き彫りとなった。
 なお、フルサービスキャリアとLCC(格安航空会社)別の日本着国際線座席供給量でみると、フルサービスキャリアは1861万席となり、19年冬スケジュール実績を3.2%上回った。一方、LCCは885万席の座席供給を計画しており、19年冬スケジュールを43.1%超える見通し。これによりフルサービスキャリアとLCCの構成比率では、LCCが6.6ポイント上昇する。

《海外就航地別》
■南北米大陸・ハワイ等含む近隣諸島地域(24空港)=257万席、19冬比96%
・提供座席数増加空港=ニューヨーク:+7.6万席、サンフランシスコ:+5.6万席、ロサンゼルス:+4.9万席
・提供座席数減少空港=ホノルル:-26万席、コナ:-4.8万席、サンノゼ:-2.6万席
■欧州・中近東・アフリカと近隣諸島地域(24空港)=145万席、19冬比87.7%
・提供座席数増加空港=ドーハ:+13.3万席、イスタンブール:+8.5万席、サイード:+3.6万席
・提供座席数減少空港=モスクワ:-8.5万席、ヘルシンキ:-7.1万席、パリ:-6.2万席
■アジア(中近東を除く)・オセアニアおよび近隣諸島地域(101空港)=2344万席、19冬比117.9%
・提供座席数増加空港=ソウル:+232.3万席、台北:+62.4万席、香港:+59.9万席
・・提供座席数減少空港=バンコク:-39.5万席、グアム:-21.6万席、天津:-11.6万席

 

《日本国内就航地別》
■成田空港=812万席、19冬比93.6%(55万席減〕
・増加主要3路線=ソウル:+54.9万席、香港:+21.1万席、台北:+19万席
・減少主要3路線=ホノルル:-21.6万席、バンコク:-18万席、グアム:-11.6万席
■羽田空港=586万席、19冬比138.9%(+164万席)
・増加主要3路線=ニューヨーク:+15.4万席、ロサンゼルス:+14.1万席、上海:+12万席
・減少主要3路線=ハノイ:-3.8万席、ダナン:-3.2万席、バンコク:-2.5万席
■関西空港=657万席、19冬比118%(+100万席)
・増加主要3路線=ソウル:+55.9万席、香港:+19.1万席、上海:+16万席
・減少主要3路線=ホノルル:-10万席、天津:-8.0万席、グアム:-5.9万席
■九州・沖縄地方(11空港)=337.2万席、19冬比143.2%(+101.7万席)
・増加8空港=福岡:65.8万席、沖縄:+18.4万席、熊本:+14.2万席、大分:+2.9万席、長崎:+1.7万席、下地島:+1.2万席、宮崎:+0.6万席、佐賀:+0.6万席
・減少3空港=北九州:-1.9万席、鹿児島:-1.3万席、石垣:-0.6万席
■北海道(3空港)=123.3万席、19冬比120.7%(+21.2万席)
・増加2空港=札幌:+21.2万席、旭川:+0.9万席
・減少1空港=函館:-1.0万席
■中部地方(5空港)=160.6万席、19冬比84.2%(-29.9万席)
・増加1空港=小松:+0.7万席
・減少4空港=中部:-27.8万席、静岡:-1.2万席、富山:-0.7万席、新潟:-0.7万席
■中国・四国地方(8空港)=45.8万席、19冬比188.1%(+21.4万席)
・増加8空港=高松:7.0万席、松山:+6.9万席、広島:+3.0万席、米子:+1.6万席、岡山:+1.2万席、高知:+0.7万席、徳島:+0.5万席、宇部:+0.2万席
■東北地方(5空港)=20.7万席、19冬比128.2%(+4.5万席)
・増加3空港=仙台:+4.2万席、秋田:+0.4万席、福島:+0.3万席
・減少2空港=花巻:-0.4万席、青森:-0.02万席
■関東地方(1空港)=1.6万席、19冬比32.1%(-3.3万席)
・減少1空港=茨城:-3.3万席

※写真=日本着国際線の座席供給量はコロナ前の19年冬スケ実績を326万席上回る計画だ