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2024.11.29

WING

エポキシ樹脂の化学分解に新手法、常圧・短時間で分解

 ビスフェノールAは高収集率、炭素繊維材も熱劣化無し

 産業技術総合研究所が、エポキシ樹脂を化学分解する新たな手法を開発することに成功した。エポキシ樹脂に対して適量の水酸化ナトリウムおよびtert-ブトキシナトリウムなどの塩基と、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(DMI:1,3-Dimethyl-2-Imidazolidinone)などの高沸点溶媒を使用することにより、常圧下で150 oC、7時間という温和な条件で原料化合物のビスフェノールAを収率良く回収することができるというものだ。
 この技術を用いれば、エポキシ樹脂の合成に用いる硬化剤の種類や架橋度合いに関わらず分解することが可能なほか、硬化剤の種類によってはエポキシ樹脂が含むビスフェノールAの量に対して最大収率95%ものビスフェノールAが得られるとのこと。さらに、炭素繊維やガラス繊維との複合材料にも利用することができ、繊維材料も熱劣化すること無く回収することができるという。産業技術研究所は、この技術を活用すれば様々なエポキシ樹脂を化学分解し、かつ原料を回収することができる道筋が示されたと評価した。