ウイングトラベル
★オールインクルーシブ旅行の需要が拡大
エクスペディア調査、高級志向とZ世代が求める
エクスペディア・グループは、オールインクルーシブ旅行の需要が急速に拡大している現状を明らかにした。同グループによると、2019年以降、エクスペディアやホテルズドットコムでオールインクルーシブ旅行の需要が70%増加し、客室平均単価(ADR)が40%上昇している。これは従来の画一的なモデルから、よりパーソナライズされた高品質な体験を提供する方向へ進化していることが背景にあると分析した。
同グループの予約データによると、過去1年間で最も人気のあるデスティネーションは、メキシコ、カリブ海、トルコで、これに続くのがスペイン、ギリシャ、キプロス、東アドリア海沿岸。これらの地域での需要の高まりが、世界的なオールインクルーシブ旅行の成長を支えているとしている。
オールインクルーシブ旅行は、かつて「お得感」を重視する旅行者に選ばれる傾向だったが、近年では高級志向が顕著になっている。同グループのデータによると、5つ星ホテルを選ぶ旅行者の割合は2019年以降125%増加しており、とくに欧州や米国からの需要が大幅に伸びている。この変化は、グルメダイニングやパーソナライズされたサービスを含むラグジュアリー体験の提供が支持を得ていると強調した。
アジアではオールインクルーシブは成長さん階にあるが、インド、インドネシア、ベトナムの中流上位層を中心に人気が高まりつつある。日本市場では38%の旅行者がオールインクルーシブに宿泊した経験を持ち、今後の成長の余地が大きいとされている。
エクスペディア・グループの調査では、Z世代がオールインクルーシブ旅行の新たな牽引役として浮上している。この世代の42%がオールインクルーシブリゾートを好み、主な理由として「ストレスの少なさ」や「予約のしやすさ」、さらには「ラグジュアリーな体験」を挙げている。TikTokでは「#allinclusive」がトレンドとなり、SNSを通じた影響もこの人気を支えているという。
エクスペディアは、オールインクルーシブパッケージへの需要は今後も続くと予測。同グループの調査によると、今後12カ月以内に海外旅行を検討している消費者の54%がオールインクルーシブパッケージを選択肢として挙げている。
旅行業界がオールインクルーシブな旅の需要が高まり、その対象層が変化する中で、具体的な対策を講じることが重要と指摘。Z世代にはシンプルで利便性の高いサービス、高齢層や中流上位層にはより洗練されたダイニングオプションや特別な体験などの提供を提案している。
※写真=シニア層やZ世代にそれぞれのオールインクルーシブ需要が拡大