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2024.12.06

ウイングトラベル

★航空旅客市場、需要は前年比7.1%増と堅調

 供給量6%超拡大、平均搭乗率83.9%と高水準

 

 国際航空運送協会(IATA)は12月4日(ジュネーブ現地時間)、今年10月の世界の高空旅客需要に関するデータを公表した。それによれば、国際線・国内線の旅客需要を表すRPKは、対前年同月比7.1%上昇。座席供給量を表すASKも6.1%拡大し、搭乗率は0.8ポイント改善した83.9%だった。
 このうち国際線のRPKは前年同月比9.5%増加。ASKも8.6%伸びており、搭乗率は0.6ポイント増加した83.5%となった。一方、国内線のRPKは3.5%増加。ASKも2.0%拡大し、搭乗率は1.2ポイント増えた84.5%だった。
 IATAのウィリー・ウォルシュ事務局長は「引き続き市場は堅調で安定した需要がみられることは朗報だ」とコメント。「搭乗率が着実に改善していることも同様に重要な指標であり、航空業界が旅客をより効率的に輸送する上で素晴らしい仕事をしていることを示す結果だ」と述べるなど、堅調に回復から成長軌道へと乗っているとの認識を示した。
 またウォルシュ事務局長は「平均搭乗率は1990年代には約67%だったが、今日では83%以上に上昇している」ことに言及しつつ、「排出量削減のために旅客に課税しようと考えている政治家は、この点に留意すべきだろう。税金のせいで旅客が減っても航空機は飛ぶ。自動的に排出量が削減される訳ではない」との見解を示した。
 「(課税して旅客が減るような事態になれば)数十年もかけて苦労して得た進歩が覆されることになる。排出量を可能な限り抑えて旅することで経済的、社会的利益を生み出すためには、飛行機が満席になる必要がある」と話すなど、航空旅客に課税しようとする動きをけん制した。

■10月の国際線・国内線の航空旅客市場動向
・アフリカ=RPK:+9.3%、ASK:+5.2%、PLF:73.8%(+2.8ポ)
・アジア太平洋=RPK:+12.7%、ASK:+9.7%、PLF:84.1%(+2.2ポ)
・欧州=RPK:+7.9%、ASK:+6.5%、PLF:86.2%(+1.1ポ)
・ラテンアメリカ=RPK:+7.0%、ASK:+7.5%、PLF:84.5%(-0.4ポ)
・中東=RPK:+2.5%、ASK:+2.7%、PLF:80.3%(-0.1ポ)
・北米=RPK:+0.3%、ASK:+1.6%、PLF:83.2%(-1.1ポ)

■10月の国際線旅客市場動向
・アフリカ=RPK:+10.4%、ASK:+5.3%、PLF:73.2%(+3.4ポ)
・アジア太平洋=RPK:+17.5%、ASK:+17.2%、PLF:82.9%(+0.3ポ)
・欧州=RPK:+8.7%、ASK:+7.3%、PLF:85.7%(+1.1ポ)
・ラテンアメリカ=RPK:+10.9%、ASK:+11.6%、PLF:85.3%(-0.6ポ)
・中東=RPK:+2.2%、ASK:+2.5%、PLF:80.2%(-0.2ポ)
・北米=RPK:+3.2%、ASK:+2.9%、PLF:84.2%(+0.3ポ)

■10月の主要国における国内線旅客市場動向
・豪州=RPK:+2.9%、ASK:-0.5%、PLF:86.2%(+2.8ポ)
・ブラジル=RPK:+9.5%、ASK:+7.8%、PLF:83.7%(+1.3ポ)
・中国=RPK:+9.7%、ASK:+2.2%、PLF:86.2%(+5.9ポ)
・インド=RPK:+6.1%、ASK:+9.6%、PLF:81.7%(-2.7ポ)
・日本=RPK:+3.3%、ASK:-0.2%、PLF:84%(+2.9ポ)
・米国=RPK:-1.2%、ASK:+0.8%、PLF:82.5%(-1.7ポ)

 

※写真=需要・供給・搭乗率の3拍子揃って回復から成長軌道へ