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イプシロンS第2段モータ、再地上試験で燃焼ガス漏れ
爆発原因か判断できず、実証機年度内打ち上げは「難しい」
去る11月26日に種子島宇宙センター竹崎地上燃焼試験場で実施したイプシロンSロケット第2段モータ再地上燃焼試験において爆発事故が発生したことについて、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は12月5日、記者会見に臨み、これまでのデータおよび画像解析から、「爆発前に燃焼ガスが漏れていた可能性がある」ことを明らかにした。ただ、この燃焼ガス漏れが爆発の原因となったのかは現時点で明らかになっておらず、JAXAは引き続き原因究明を進めていく方針だ。
宇宙輸送技術部門長の岡田匡史理事は 「年度内のイプシロンS実証機の打ち上げは技術的に難しい」との見解を示し、事実上、今年度内の打ち上げは実施することができないとした。
なお、11月26日の爆発は、イプシロンSロケット第2段モータの地上燃焼試験における2度目の爆発ということで、JAXAは11月26日付で「イプシロンSロケット第2段モータ再地上燃焼試験における燃焼異常に係る原因調査チーム」を発足。同チーム長に岡田理事が就任済みだ。
今後、この原因調査チームが主体となって、試験データ詳細評価、回収破片による事象把握、設計・製造・検査データ確認などを実施し、燃焼圧力が予測値と乖離した原因及び燃焼異常に至った原因を調査するなど、あらゆる可能性を考慮してゼロベースで検討を進める構え。
※この記事の概要
・燃焼圧力データで能代と異なる挙動も
一旦圧力下降し0.3~0.4秒後爆発
・イグナイタ・イグブースタは溶融せず
・ 竹崎試験場の損傷状況 など