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2024.12.11

ウイングトラベル

★ドイツ観光局、メディアアワード表彰式開催

 持続可能な観光の啓蒙に貢献した3人を表彰

 

 ドイツ観光局は12月10日「ドイツ観光局サステイナブルツーリズムメディアアワード2024」の表彰式を東京都港区のドイツ文化会館で開催した。同アワードは世界中で関心が高まっているサステイナブルツーリズム(持続可能な観光)」の啓蒙に最も貢献したジャーナリストを表彰するもの。最優秀のグランプリには鈴木博美さんが輝いた。
 今回のアワードは2024年にドイツ観光局のプレスツアー参加者や同観光局の協力を得て取材したジャーナリストを対象に選定したもの。昨年は「ドイツ観光局サステイナブルツーリズム記事コンテスト」としてドイツの持続可能な観光をテーマに取り上げた記事を表彰する形式としたが、今年は対象を記事ではなく執筆した人物に焦点を当てることとした。
 表彰式冒頭では駐日ドイツ共和国大使館のマルティン・フート公使があいさつに立った。
 フート公使は「ドイツ観光局は持続可能な観光の分野で卓越した取り組みを行っており、その重要性を世界中の旅行者に伝えている。また、こうしたメッセージを世界に広めてくれるジャーナリストの存在は極めて重要だ。今回、観光の促進だけでなく、その責任についての意識を高める卓越したジャーナリストを表彰できることを光栄に思っている」と述べた。

 グランプリには鈴木博美さん
 独自の視点やストーリー性で持続可能な旅紹介

 今回のメディア表彰では「グランプリ」「準グランプリ」「審査員特別賞」の3賞を設定した。選定にあたっては外部審査員として追手門学院大学地域創造学部地域創造学科の岡田美奈子教授、本紙の石原義郎編集統括、そしてドイツ観光局の西山晃アジア地区統括局長兼日本支局長の3人が審査を行った。
 グランプリにはJALスカイワードやFRau SDGs監修の「Do Well by Doing Good」などに記事を執筆した鈴木博美さんが選ばれた。
 鈴木さんは独自の視点やストーリー性を持たせた記事を通じて、ドイツのどこを切り取っても持続可能な体感が可能であることを多くの記事で露出したが高く評価された。
 今回の受賞を受けて表彰式に出席した鈴木さんは「ドイツは自然環境、文化遺産、そして地域コミュニティとの共生を実現するため、先進的な取り組みを行っている。その現場に立ち会い、取材できたことは、私自身にとっても大きな学びの機会だった。そして、この旅で得た気づきが、多くの読者の方々にとっても新しい視点となっていたら嬉しく思う」とあいさつした。

 

 準グランプリは坪井由美子さん
 審査員特別賞はシュピッツナーゲル典子さん

 

 準グランプリには、サライ.jp
などに記事を掲載した坪井由美子さんが選ばれた。坪井さんの記事はアワードの評価基準である正確性、客観性、構造性、独自性、共感度が全体を通じてバランスよくまとめられていた点や共感を呼び起こすような記事構成となっていたことが受賞理由となった。
 今回の受賞についてエッセンのクリスマスマーケット会場からコメントを寄せた坪井さんは「ドイツは普段の生活の中にサステイナブルという考えが基本にあり、旅をしていても心地よさを感じる。そうした世界が当たり前になることを願って、自分の足で取材をし見て、聞いて感じたことを残していきたい」と述べた。
 審査員特別賞にはドイツ在住でさまざまな媒体で記事執筆を行っているシュピッツナーゲル典子さんが受賞した。
 シュピッツナーゲルさんは昨年の記事コンテストに続いての受賞となった。常に安定し、ブレのない高い文章力に加え、サステイナブルツーリズムというテーマのもと、日本ではまだ知られていない奥深い魅力を持つデスティネーションに焦点を当てた点が評価された。
 表彰式会場にビデオメッセージを寄せたシュピッツナーゲルさんは「個人レベルでできる持続可能な社会づくりの第1歩は各地で起きていることに関心を持ち、理解を深めることだ。持続可能な社会と観光はかけ離れていると思われるかもしれない。だが地元の小さな取り組みであっても、それが共感を生み、新たなアイデアにつながり、持続可能な旅への解決の糸口になることもあるのではないだろうか」と語った。
 3人のジャーナリストへの表彰後に総評を述べた追手門学院大学の岡田教授は「ドイツでは、早期から持続可能性やSDGsを国家戦略として位置付け、持続可能な地域づくりやサステナブルツーリズムにおいても学ぶべき点が多様にある。そうした特徴のあるドイツに着目し、持続可能な観光の啓蒙に最も貢献したジャーナリストを表彰する本プログラムにおいて、記事の正確性や客観性などはどれも高く評価された。しかし、今回最も重視したのは、人々の「共感」をいかに得られる内容であるか、という点だった。共感には人々の行動変容を促す、無関心の人を関心層へと導く力がある。今回の3人の記事はこれを強く感じさせるものであった」とした。

※写真=「ドイツ観光局サステイナブルツーリズムメディアアワード2024」表彰式の模様。中央がグランプリを獲得した鈴木博美さん。左から駐日ドイツ共和国大使館のマルティン・フート公使、追手門学院大学の岡田美奈子教授、鈴木さんを挟んで本紙の石原義郎編集統括、ドイツ観光局の西山晃アジア地区統括局長兼日本支局長

※写真=エッセンのクリスマスマーケットからコメントを寄せた坪井由美子さん

※写真=受賞の喜びをビデオメッセージで寄せたシュピッツナーゲル典子さん