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長引くサプライチェーン問題、高まる航空会社の不満
平均機齢は14.8年に、飛べない機材も世界に5000機
新型コロナパンデミックが収束して、エアライン業界が回復から再び成長軌道に乗りつつある一方、機体・エンジンなど製造業ではサプライチェーンの混乱が続いている。パンデミック中、多くの熟練人材が業界を去ってしまったことが影響している。長引く問題に、エアラインはせっかくの成長機会を十分に捉えることができず、事業やネットワーク戦略の再考を余儀なくされ、不満の声も漏れ聞こえてくる。
こうした航空機製造のサプライチェーンについて国際航空運送協会(IATA)は、「2025年まで航空会社の業績に影響を及ぼし続け、(航空会社の)コストを増大させ、成長を制限する」と苦言を呈した。なかでも航空機の平均機齢は過去最高の14.8年に上昇しており、1990年~2024年の平均13.6年と比較して、経年化が進んでいることを明かし、この結果、メンテナンスコストの上昇など、運航コスト増加の大きな要因になっているとした。
機体メーカーによる航空機の納入数は、ピークだった2018年の1813機から大幅に減少。2024年には納入数が1254機にまで縮小し、しかも年初の予測数と比較して30%減少しているという。
※写真=サプライチェーン問題を引きずつ航空機製造業。パンデミックからの回復・成長軌道へ乗るなか商機を失い続けているエアラインの不満が高まっている
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