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2024.12.25

羽田の固定化回避検討会、RNP-AR方式が適当

 対応機材など課題、事故防止共有しつつ判断

 

 国土交通省航空局は12月24日に羽田新経路の固定化を回避する技術的方策の第6回目検討会を開き、これまで2つに絞った飛行方式の安全性など検証結果について報告した。それによると、A・C滑走路を同時に運用するため、シミュレーションを用いるなど各種検証を行った結果、RNP-ARによる進入方式が達成するべき安全レベルを満たして適当だと判定したことを明らかにした。しかし新方式を採用した場合、解決しなければならない様々なリスクを抱えているため、今後は航空機材のフォローアップや、羽田の事故対策に関する情報共有を図りながら、海上の新ルートやさらなる騒音軽減など検討していくこととした。
 RNP-AR方式は判定の結果、A・C滑走路の同時運用に適当だと判定したものの、すぐに運用せずに各種検討を進めながら判断していくこととした。その課題の1つが対応機材が不十分であることで、羽田へ着陸する機材のうちRNP-AR方式に対応しているのが75.7%であり、残りの24.3%が未対応か許可が未取得の機材であること。従前から未対応機材が多いことは指摘されていたが、乗員の要請などでも航空会社へ負担がかかることになることなどを踏まえ、今回改めて対応機材が伸びていないことが分かったという。
 また2024年1月には羽田で衝突事故が発生し、事故対策検討委員会による再発防止策の検討が進められている。ここで新たな進入方式の運用を開始すれば、新たな飛行経路などを設定することになり、新たな事故リスクになりかねないという。そこで衝突事故の再発防止策の進展状況など、まずは情報の共有を図ることが重要だとした。その上で、なるべく騒音影響の少ない海上ルートなどを検討しつつ、さらなる騒音軽減につとめて議論を深めていくこととした。同検討会では2025年度中に第7回目を開催する予定で、検討状況など確認するとしている。

 

羽田の新経路固定化回避検討会は、機材などフォローアップしつつ、2025年度に第7回目を開催する

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