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2025.01.07

WING

防衛省、防衛費増額で25年度予算案8兆4748億円

 抜本的強化5ヵ年の62%へ、人的基盤強化に注力

 

 防衛省が昨年末に発表した2025(令和7)年度予算案は、防衛関係費が24年度比9.7%増の8兆4748億円となった。これは戦略3文書による抜本的な防衛力強化3年目の予算案で、各種事業の進捗などを踏まえて増額したとして、5ヵ年全体の43.5兆円のうち約62%に達することになる。
 特にスタンド・オフ防衛能力の強化に向けて、国産のものを含め各種スタンド・オフ・ミサイルの整備を進める。さらに遠方の目標を探知・追尾する能力を獲得するために衛星コンステレーションの構築に着手する。領域横断作戦能力および宇宙領域の能力強化への取組みでは、次期防衛通信衛星の整備を進めるとともに、航空宇宙自衛隊への改称を見据えた宇宙作戦団(仮称)の新編を計画する。防衛生産・技術基盤の分野としては、英国・イタリアと共に取り組む次期戦闘機の開発を加速する。また政府全体の関係閣僚会議で議論してきた自衛官の処遇・勤務環境改善などに取り組んで、人的基盤の強化に努める。
 スタンド・オフ防衛能力の獲得・強化に必要なスタンド・オフ・ミサイルは、国産のものを中心に取得を進める。すでに取得を開始している地発型の12式地対艦誘導弾能力向上型では地上装置(2式:169億円)を取得し、新たに艦発型を168億円で取得していく。また潜水艦発射型誘導弾も新規に30億円で取得を始める。そのほか、島嶼防衛用高速滑空弾を293億円で継続取得し、極超音速誘導弾の製造体制拡充などを2391億円で行う。
 さらに外国製のミサイルについては、引き続きJSM(159億円)、JASSM(28億円)を取得する。トマホークについては18億円で艦艇への発射機能付加を行うこととし、まずは護衛艦「ちょうかい」へ改修を行って25年度中にも発射できるようにする。

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