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2025.01.27

WING

成田四者協、地域との発展へ新たな推進主体設置

 年間発着34万回化確認、25年冬ダイヤから開始

 成田国際空港会社(NAA)、周辺9市町、千葉県、国(国土交通省)の4者は1月24日、千葉県庁で「成田空港に関する四者協議会」を開き、成田空港のさらなる機能強化を進める上で、ともに周辺地域の発展に取り組む新組織の設立に合意した。それとともに成田空港で現在、発着可能な年間30万回の発着枠を2025年冬ダイヤから34万回として運用することを確認した。
 設立に合意した新組織は、成田空港のさらなる機能強化や「新しい成田空港」構想によって年間発着50万回を達成した際の効果を周辺地域へ波及させる。この推進主体を仮に「NRTエアポートシティデザインセンター」とし、今年4月にも設立して「エアポートシティ(仮称)」の実現を目指す。
 発着34万回化について成田空港では、高速離脱誘導路の整備や、管制機能を高度化するWAMの導入によって、すでにその処理能力を有していたものの、地域などとの話合いで年間30万回での運用としていたところ。しかし2026年には年間30万回を超えることが予想されるため、C滑走路供用開始まで、年間34万回を発着枠として運用していくとした。施設の追加整備は行わず、運用時間も従来通りA滑走路が6時~24時、B滑走路が6時~23時(22時台の発着10便まで)としている。
 千葉県の熊谷俊人知事は、新たな推進主体設立に向けて、これまでエアポートシティのビジョンとして、国際的な産業拠点の形成や、地域公共交通ネットワークの構築などに取り組んできたという。昨年末には地域未来投資促進法に基づく「成田新産業特別促進区域」基本計画を変更して、物流に加えて「精密機器」「航空宇宙」「健康医療」「農業」「観光」の5つの産業分野の集積を目指して民間投資を促進していくとし、この取組みを加速させるためには新たな組織体制が重要な役割を担うことになるとした。

※この記事の概要
・推進主体で将来ビジョンなど策定
 名称はNRTエアポートシティデザインセンター
・34万回化後もピークでは発着上限に

 発着枠拡大へ4月にもダイヤ調整へ   など