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防衛省、韓国駆逐艦の火器管制レーダー探知音公開
相互主義応じず協議継続困難も防衛協力不可欠
防衛省は1月21日、海上自衛隊P-1哨戒機が韓国海軍駆逐艦から火器管制レーダーを照射された事案について、新たに当時P-1が受けた火器管制レーダーの探知音を公開するとともに、同事案の最終見解を発表。韓国側の“レーダーを照射していない”といった主張を否定するとともに、P-1の低空飛行への批判を「重要な論点を希薄化させるためのもの」として、謝罪要求を聞き入れない方針を示した。その上で、韓国側が相互主義に基づいた事実認定に応じないため、実務者による協議の継続が困難だとして、実務者協議を打ち切る。しかしながら、北朝鮮の核・ミサイル問題や、東アジア地域の安全保障環境のためにも、韓国との防衛協力は不可欠との認識は変わらないとし、防衛協力の継続へ真摯に努力するという。
防衛省がこのたび公開した音声データは、保全措置を講じたもので、P-1が収集した韓国駆逐艦の火器管制レーダー、STIR-180からの波長を音に変換したもの。非常に強い音が継続していることが分かる。一般的に、レーダー波を解析すれば、種類や発信源を特定することができるが、比較対象として同時に公開した捜索用レーダーでは、音が火器管制レーダーに比べて弱い。また、回転しながらレーダー波を出すため、探知するレーダー波は周期的なものになる。防衛省では、専門部隊がP-1へ照射されたレーダー波の周波数、強度、受信波形などを解析。その結果、韓国駆逐艦からSTIR-180のレーダー波を一定時間継続して複数回照射されていたことを確認した。
日韓双方の情報提示提案も韓国側が拒否
合意反する内容、信頼性欠ける主張繰り返す
低空飛行の批判でレーダー照射を希薄化
同艦艇へ過去3回同様の飛行、問題提議なかった
現場海域の通信環境は極めて良好
240キロ離れた空自機も受信、韓国側映像でも確認
抗議継続も実務者協議は困難
防衛協力重視も個別で対応検討
※火器管制レーダー探知の音声データ
http://www.mod.go.jp/j/press/news/2019/01/21x.html
※図1=P-1のレーダー照射を受けた前後の行動図。下側が照射以降のもの(提供:防衛省)
※図2=韓国の同艦艇へ、過去3回同様の飛行を行い撮影を行ったが、抗議はなかった(提供:防衛省)