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JAL、羽田の電動HL・BL公開、CO2排出削減を加速
静穏性も高まり安全面も期待、3月にも追加導入
日本航空(JAL)は1月27日、羽田空港で昨年12月から運用を開始した電動ハイリフトローダー(HL)および電動ベルトローダー(BL)をプレス向けに公開した。この2つの車両は従来ディーゼルエンジンで航空機搭載貨物の上げ下ろしを行うが、充電式の完全な電動車両となったことでCO2の排出ゼロで環境保全に寄与する。またモーター駆動で静穏性が高まっており、騒音の軽減へ貢献するだけでなく、作業者間の会話も聞き取りやすくなって、安全性の向上も期待される。
JALは今回、国内の航空会社として初めて電動のHLおよびBLを新規導入した。現在、1タミ3番スポットで電動HLが2台、電動BLが1台稼働中だ。どちらも4~5時間で満充電になり、作業の合間にスポットへ設置されている電源から充電することで、ディーゼル車両とそん色なく運用しているという。
電動車両の作業公開で最も特徴的なのは、作業時の静穏性だ。従来のディーゼルならばエンジンから大音量で駆動音を発して絶えず振動しているものだが、電動車両では作業中も振動や騒音を発しない。車両に乗って作業する人は、通常の車両ならば怒鳴り合うほど大きな声を出してコミュニケーションを取らなければならないが、電動車両では通常の会話で相手の声が聞き取れる。最近では地上作業による事故やトラブルの増加が注目されているが、作業者同士の意思の疎通がしやすくなることで、事故の減少にも寄与することになりそうだ。
JALは今後、羽田空港でさらに電動車両を増強する予定。今年3月には6番スポットへ電動HLを2台、電動BLを1台導入して、運用を開始する予定だ。羽田だけでなく、ほかの空港でも電源の設置状況の調査を進めて、設置可能な空港には順次導入を進めていきたいという。
※この記事の概要
・TREPEL社の電動HL、坂道を難なく通過
電動BLはのEINSA社製、いずれも日本規格に
・JALグループでCO2削減強化へ