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2025.02.03

WING

JAXA、H3ロケット5号機の打ち上げ成功

 準天頂衛星「みちびき6号機」を正常分離

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2月2日17時30分00秒(日本標準時)に、準天頂衛星「みちびき6号機」を搭載したH3ロケット5号機(H3-22S形態)による打上げを実施した。JAXAによれば、ロケットは計画どおり飛行し、打ち上げから1分57秒でSRB-3を分離。3分46秒後には衛星フェアリングを分離するなど、所定のシーケンスをクリアしながら約29分3秒後に「みちびき6号機」を正常に分離することに成功した。
 今回の打ち上げ成功後に開かれた記者会見の席上、JAXAのH3プロジェクトチームの有田誠プロジェクトマネージャは「試験機2号機から1年足らずの間に、4機の連続成功を収めた」と話しつつ、あらためて関係者や支援者に謝意を表明。「4回の連続成功では、いずれも打ち上げのオペレーションに入ることができれば、遅れることなく、オンタイムでその日のうちに打ち上げることができている」とコメント。「そのなかでも5号機の打ち上げは、バタバタすることが一切なく、スムーズに打ち上げオペレーションを行うことができた」と話し、打ち上げ作業の習熟度が高まってきたことに加え、1号機・2号機の経験を踏まえて実施した極低温点検などの機会を活かして、H3ロケットに磨きをかけてきた成果であるとの認識を示した。
 その上で、「来年度には新しい30形態試験機、24形態の初打ち上げ、LE-9 Type2エンジンの開発などに活かし、弾みをつけていきたい」と話すなど、H3ロケットの新形態などの開発を推進していく考えも明らかにした。
  JAXAの山川宏理事長も今回の打ち上げ成功を喜びつつ、「連続成功の打ち上げ意義は大事であるものの、引き続き着実に打ち上げを積み重ね、信頼を積み重ねていく。そして国際競争力を獲得した上で、日本の産業界、あるいは技術力を強化し、日本として宇宙へのアクセス性を維持・確保していくことが最も大事なことだ」と強調するなど、日本の宇宙開発・利用を促進していくためにも、H3ロケットの実績を積み重ねていくとした。

※この記事の概要
・準天頂衛星システム、7機体制へ踏み出す
 GPSなど他国依存せずとも自律的に測位
・みちびき6号機から衛星間測距機能と衛星/地上間測距機能
 スマホなどでも1m級の高精度測位可能に  など