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2025.02.10

WING

IHI3Q決算、スペアパーツ好調続き営業利益1034億円

 PW1100追加検査プログラム、為替要因で60億円増加

 IHIが2月7日に発表した2025年3月期第3四半期決算によると、売上収益は前年同期比32.7%増加した1兆1499億円と大幅な増収となったほか、営業利益は1034億6300万円(前年同期:営業損失1099億900万円)、税引前四半期純利益1146億円(同:税引前四半期純損失1099億円)、四半期純利益は798億円(同:純損失1068億円)となった。受注高も前年同期比3372億円増加した1兆2142億円に、大きく拡大した。
 同日、決算説明会に登壇した福本保明財務部長(執行役員)は「上期に続き、第3四半期も順調に推移した」と評価。民間航空エンジンのスペアパーツの販売増加などが追い風となって、業績を伸ばすことに成功したと説明した。
 また第3四半期の受注高は、民間航空エンジンにおけるスペアパーツや防衛事業関連の部品などが大きく増加した一方、アジア拠点EPC(Engineering / Procurement / Construction)で前期の大型案件受注の反動で減少。売上収益としては、民間航空エンジンのPW1100G-JMエンジンおよびV2500エンジンのスペアパーツ販売を中心に増収となったほか、アジア拠点EPCにおける大型発電所プロジェクト工事進捗による増収効果があった。
 営業利益ベースでは民間向け航空エンジンで引き続きスペアパーツ販売が好調だったことなどにより増益となった一方、車両過給機における欧州での事業構造改革費用、販売価格交渉の進捗遅れが減益要因に。さらに、原動機においてエンジン試運転記録に係る不適切行為に関連した燃費補償費用などを第3四半期に計上した。
 ちなみにPW1100G-JMエンジンの粉末冶金コンタミ問題にかかる追加検査プログラム関連の費用影響については、「ドルベースでの見積もり総額あるいは当社負担額に変動はない」としながらも、「為替レートが12月末にかけて1ドル157円台後半の円安の水準となったことで、返還残額が60億円ほど増加した」ことを明かした。
 セグメント別の業績をみると、航空・宇宙・防衛領域の売上げ収益は、前年同期比1012億円増加した3773億円となり、営業利益も570億円増加した946億円で着地した。