ウイングトラベル
★宿泊税を有効活用し観光地域の磨き上げへ

経済同友会がシンポジウム開催し議論
経済同友会の観光戦略委員会は2月14日、都内で「観光振興の鍵、宿泊税の導入と活用」と題したシンポジウムを開催した。当日は日本の観光立国実現に向けて、宿泊税を財源とすることでさらなる観光振興を図るべきであるという考えをベースとして、観光予算を取り巻く状況と観光振興財源の必要性。そして、効果的な使途について活発な議論が行われた。
特定財源を確保し、観光振興への投資加速
経済同友会、宿泊税の法定目的化提言
今回のシンポジウムは昨年3月に経済同友会が取りまとめた提言「自立した地域の観光経営の実現に向けた宿泊税の拡大と活用」を受けて開催されたものだ。
経済同友会は観光振興を支える上で特定財源を確保し、観光振興への投資を加速させるべきであるという考えのもと、日本国内の一部の自治体で導入されている宿泊税に着目している。
宿泊税を全国的に広く展開すべく、地方税法の法定目的税として宿泊税を新たに導入すべきであるとしており、これを実現するために観光立国推進基本計画が改訂される2026年をメドに必要な法改正を実施することを求めている。
持続的な観光魅力担保へ宿泊税導入推進
伊達委員長「本質的な議論が不足」
シンポジウムに先駆け、観光戦略委員会の委員長を務める伊達美和子副代表幹事(森トラスト代表取締役社長)がオープニング&キーノートスピーチとして登壇した。
伊達氏は冒頭で「観光戦略委員会では昨年提言を行い、観光振興に向けた財源としての宿泊税の法定目的税化、物価価格変動に柔軟な定率制導入、使途の明確化などを進めてきた。その結果、すでに11自治体で宿泊税が導入されたほか、約50の自治体で検討しているなど、全国各地で宿泊税導入の機運は高まってきている」点を強調した。
その一方で「宿泊税という言葉だけが先行し、徴収方法、活用法、運用策といった本質的な議論がなされないまま今日に至っている現実にも直面しており、そこに危機感を感じている」と問題提起し、これからの観光振興を持続可能なものにするための宿泊税を導入するにあたり、将来性を見据えた議論をする必要という考えを示した。
※写真=都内で行われたシンポジウムの模様