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ボーイング、旅客用空飛ぶクルマの初飛行に成功
コンセプト設計から一年で飛行、貨物用も年内屋外飛行へ
ボーイングは1月23日(米ヴァージニア州現地時間)、去る1月22日に米国ヴァージニア州マナサスにおいて、ボーイングが開発中の旅客輸送用の空飛ぶクルマのプロトタイプの初飛行に成功したことを発表した。ボーイングが開発を進めている自律飛行型パッセンジャー・エア・ビークル(PAV:passenger air vehicle)プロトタイプは、電動推進離着陸機(eVTOL)。最大50マイル(80.47km)を飛行することが可能で、離陸から着陸に至る全てのフェーズで自律飛行することが可能だ。全長は30フィート(9.14メートル)、幅28フィート(8.53メートル)で、その特徴として推進システムと翼システムを統合することで、効率的なホバリングと前進飛行を可能にした。なお、この機体の設計・開発を行っているのは、ボーイングの子会社であるオーロラ・フライト・サイエンシズ。ボーイングの新部署であるボーイング・ネクストが、新しい空のオンデマンド輸送を実現することを目指す。
今回、旅客輸送用のPAVプロトタイプの初飛行に成功したボーイングのチーフ・テクノロジー・オフィサーであるグレッグ・ハイスロップ氏は「我々はコンセプト・デザインからプロトタイプの飛行まで、一年で開発を進めることに成功した」と、短期間で初飛行に漕ぎ着けることに成功した開発チームの成果を讃えた。
ボーイングによると、初飛行試験においてPAVプロトタイプは、離陸からホバリング、そして着陸至る全ての飛行フェーズにおいて完全にコントールすることに成功したとのこと。自律飛行機構や地上コントロールシステムを検証したほか、垂直飛行モードから前進飛行モードへの転換についても試験を行った模様だ。引き続き、前進飛行の試験を行う計画で、ボーイングでは飛行フェーズの移行が、高速飛行VTOL機にとっても最重要技術課題であることを強調している。
ボーイングは現在、旅客輸送用の空飛ぶクルマの開発のほか、貨物輸送用の空飛ぶクルマの開発を進めているところ。ボーイングによれば、この機体は最大500ポンド(226.80キログラム)まで輸送することが可能で、昨年、既に屋内における初飛行を達成。2019年中に屋外飛行試験を実施することを計画中だ。
■空飛ぶクルマ時代は目前に
※写真=初飛行に成功したPAVプロトタイプ(提供:ボーイング)
※写真=旅客用・貨物用ともに開発が加速している空飛ぶクルマ。時代の転換点が迫っている(提供:ボーイング)
※動画(音声に注意)=初飛行する時の模様(提供:ボーイング)
http://www.boeing.com/features/2019/01/pav-first-flight-01-19.page