ウイングトラベル
★旅行業を「稼げる産業」に変革を
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JATA髙橋会長「スピード感持ち収益性アップ」
日本旅行業協会(JATA)の髙橋広行会長は、このほど行われた「JATA経営フォーラム2025」の事前公開収録に登壇し、コロナ禍を経て旅行業界を取り巻く状況が刻々と変化する中で「『稼げる業界』に生まれ変わることが重要であり、そのためにスピード感を持って事業を推進していくことが求められている」と強調した。その上で、「高付加価値化」「協調共創」「DX化」「人材確保」の4つの視点を軸に生産性・収益性の高いビジネスモデルを構築すべきであるという考えを示した。
髙橋会長は経営フォーラムで取り上げるテーマのもとで、旅行に携わるそれぞれの業界関係者が意識を高めていくことで「今年こそは回復が遅れている海外旅行を復活させて、国内旅行、海外旅行、訪日インバウンドの三位一体でツーリズムの成長を遂げ、業界の大きな一歩につなげていきたい」と語った。
高付加価値化、協調共創、DX、人材確保は必須
旅行会社の存在価値発揮へ意識向上
髙橋会長は、稼げる旅行業界実現のカギとなる4つのトピックスごとに持論を展開した。
高付加価値化に関しては「新しい体験や出会いをいかに提供していくのか。また、ストーリー性を持った旅行、専門性を活かした旅行を提案できるかが、旅行会社の存在価値を示す方法である」と指摘した。
協調共創についてはJATAで取り組む「観光産業共通プラットフォーム」や「JATAビジネスマッチングサイト」の取り組みを引き合いに出しながら「旅行会社が共通して取り組む業務については、個々でコストやエネルギーをかける『自前主義』を脱し、協調して取り組むことも大事だ」と強調した。
業界内で対応が遅れているとされるDX化については「今後収益性を高める上でAI(人工知能)の存在は欠かすことができない」と述べた上で「今年の経営フォーラムでは生成AI活用の可能性をテーマとしたセミナーを実施するので、意識向上に役立ててもらいたい」と語った。
人材面では労働力向上につながる人手不足の課題解決と併行して、有能な人を育てる「人財」という視点で取り組みを強化していく必要があるとした。髙橋会長は「人手確保については、今回の経営フォーラムでも取り上げるほか、JATAではさまざまな階層別研修を用意しているので、活用してほしい」と呼びかけた。
※写真=経営フォーラムの実施に際しあいさつする日本旅行業協会(JATA)の髙橋広行会長