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2018.04.12

WING

財務省、財政審でC-2の取得見直しを提起

C-130Jを例示して一部代替を示唆

 財務省は4月6日に開催された財政制度等審議会の財政制度分科会で、防衛予算について資料配布し、この中でC-2輸送機について「性能は優れているが、近年価格上昇が著しく、C-2のみを取得し続けるよりも、費用対効果に優れる機種に代替することも検討すべきではないか」と述べ、資料の中でC-130J-30(スーパーハーキュリーズ)との比較を掲載し、同機の導入検討を示唆している。同省はまた、C-2はPKOや災害対応での使用も想定されるが、不整地離着陸能力が付与されていないことも指摘している。これらは、次期大綱、次期中期防の検討に当たってのC-2取得機数に関して議論を提起したものと言える。
 財務省資料ではC-2の機体価格は2018年度予算単価(初度部品を含まず)で約208億円、これに対してC-130J-30の価格は米空軍FY2017予算の1機当たり価格に支出官レート(112円)を乗じて約93億円としているが、取得方法については触れていない。FMS調達となれば、これより高くなるのは他機種の場合から想定されるが、いずれにしても、C-2より取得価格が低いのは確かだろう。

 C-2はC-1の後継機の位置づけ
 2個飛行隊、30機程度の調達想定

 C-2輸送機は国産のC-1輸送機の後継機として開発された国産機であり、航空自衛隊の航空輸送部隊3個飛行隊のうち2個飛行隊がC-1を装備していることから、C-1の代替として2個飛行隊分約30機程度の調達が想定されるところだ。 C-2は2018年度までに量産型13機の調達が予算化されている。C-2は鳥取県美保基地に配備されており、概ね1個飛行隊相当と見られる機数の取得が決まっていることになる。美保基地でのC-1からC-2への更新の後は入間基地のC-1をC-2に代替して行くことになり、これに相当するC-2の調達が次期防に組み入れられることが期待されている。

 

※写真=大きな輸送力を持つC-2輸送機