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川崎重工業、進む岐阜工場再編、ハンガー再編着手

CH-47組立職場再編、更なる生産性向上へ
防衛事業の更なる拡大に向けて、川崎重工業は航空宇宙システムカンパニーの本拠地である岐阜工場の再編を進めている。
本紙の取材に応じた川崎重工業航空宇宙システムカンパニーの下川広佳プレジデントは「工場再編においては、防衛省契約の機体製造/整備を行うハンガーの再編に着手している」とし、「一部のハンガー改修を行うとともに、作業エリアの再配置を行うことで、エリアを有効活用することができるように再編を進めている」ことを明かした。
とりわけCH-47に関しては、令和6年度(2024年度)に17機を受注しており、「当社の組立職場の再編を図ると同時に、作業効率の高い専用治工具を製作・活用することで生産性を向上し、リードタイム短縮に繋げていくことを視野に入れている」とするなど、老朽化した設備の更新とともに、更なる生産性向上を目指した取り組みを推進するとした。
岐阜工場の再編に取り組む一方で、岐阜工場周辺および各地に存在するサプライヤーの育成・支援にも注力する。これにより、生産量拡大が見込まれる防衛事業のサプライチェーンを強化するほか、生産量の回復が見込まれる民間機事業のサプライチェーンの維持・強化を図っていく狙いだ。
とりわけ防衛装備品のサプライチェーン強化に向けて、「各社が見通しをもって動くことができるよう、防衛事業全体、特定機種に関する説明会を開催し、当社の計画・関連情報を共有している」と前置きしつつ、「より強固なサプライチェーンの育成を図るため、サプライヤー教育を定期的に実施すること、人員面において人的不足が見込まれるサプライヤーに対する当社からの人的支援を行っている」ことを明かした。
サプライヤーの人的リソースの確保については、「外国人就労の話も進めている」ことに触れ、民間機事業のみならず、防衛事業でもサプライヤーにおける機械加工レベルでの外国人労働者の活用検討も進んでいるとした。
さらに、「エネルギー・人件費高騰によるコスト上昇を適宜発注価格に反映することで、適切な利益を確保し、各サプライヤーの経営状況の安定化を図っている」と説明。その他にも、生産工程の改善支援や生産能力の向上など、国際的にも競争力を有するサプライヤーの育成を進めているとした。
※この記事の概要
・人手不足、マッチング・キャリア採用推進
イベント協力などで業界の魅力発信
・GCAPの設計・開発を後押し
T-4後継共同開発なら企業間協力も
・民間機事業、スト影響もリカバリー注視
787は2026年 月10機生産目指し量産
・水素航空機実装へインフラ調査
エアバス・関西エアポートと連携 など