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川崎重工、航空機組立ロボットシステム開発

生産ライン設計などソリューション事業も視野
川崎重工業航空宇宙システムカンパニーが、航空機の新たな組立ロボットシステムの開発に挑んでいる。この組立ロボットシステムを、将来的には次世代単通路機の国際共同開発プロジェクトにおいて、自社の生産ラインに組み込むことを模索する方針だ。
この組立ロボットシステムの開発に取り組んでいるのは、航空宇宙システムカンパニー民間航空機ディビジョン。コロナ禍の中で、将来の民間航空機組立技術の検討深堀りと技術開発を進め、2025年度からいよいよ概念実証(POC:Proof of Concept)フェーズに入る計画だ。自社内の新たな生産基盤のひとつとして実運用を見据えた実証を行うのと並行して、具体的な販売時期は現段階で決定していないものの、POCフェーズでマーケティング活動を展開し、市場投入時期を検討していく。
本紙の取材に応じた開発プロジェクトマネジャーの民間航空機ディビジョン民間航空機総括部将来航空機計画部の矢野史宗特別主席は、「同じスペースにおける生産性でいえば、従来の専用機に比べて約2倍の能力を保持することができる」ことに言及しつつ、「この組立システムを武器に、先ずは自社の国際競争力をしっかりと確立する。その上で、組立システムを熟知した我々が顧客の組立工程設計やラインレイアウトの課題解決に応えるソリューションビジネスを展開していくことができるポテンシャルがあると考えている」と話すなど、ハードウェア販売に留まらず、顧客の生産ラインの設計・レイアウトにまで踏み込んだ新たなソリューションビジネスの展開を目指す考えを明かした。
※この記事の概要
・自動化追求の先の差別化
人とロボットの協調作業も視野に
・最大課題は小型化、スマホ発想で解決
・2025 年度からPOC スタート
既存プログラムへの適用も視野 など