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2025.03.05

ウイングトラベル

★ZIP、初の米南部進出、成田-ヒューストン線を開設 

 西田社長「成長著しいテキサスに航路持ち成長加速」

 

 日本航空(JAL)傘下で中長距離LCC事業を担うZIPAIR Tokyo(ZIPAIR)は3月4日、成田-ヒューストン線を開設した。週4往復便を運航する。この路線は往復で28時間を要する同航空、そして本邦LCCとして最長路線だ。運賃は7歳以上で5万5250円~。運航初便となったZG16便には、旅客129名が搭乗。9時53分に出発し、10時11分に一路、成田空港からヒューストンへ向けて飛び立った。
 ヒューストン線はZIPAIRの北米路線としては5路線目で、「今、米国でもとくに人口・経済の発展が著しく、主要な産業が集積するテキサス州への航路を開通することで、さらなる成長につなげる」(ZIPAIR 西田真吾社長)狙いだ。
 ZIPAIRは同日、成田空港第1ターミナルで就航記念式典を開催した。冒頭のあいさつで西田社長は、「ヒューストンはエネルギーやIT、航空・宇宙産業が集積し、日本企業も数多く進出している」と強調。加えて、「ジョージ・ブッシュ・インターコンチネンタル空港は、米国国内線が充実しているが、国際線、とくに中南米のネットワークも充実している空港だ」とコメント。「日本から米国、米国から先への渡航需要なども見込まれる」と期待寄せた。
 来賓として式典に参列した千葉県の穴澤幸男副知事は、「成田-ヒューストン線はZIPAIRとしては最も長い航路になり、これまでにないチャレンジングな取り組みだ」と評価した。そのうえで、千葉県が航空宇宙産業の集積を推進していることや、千葉市が文化・スポーツ・青少年育成に関してヒューストンと交流を深めている点に触れ、「新航路の開通を機に、両地域の結束が深化するだろう」と展望した。
 また国土交通省の後藤勝行成田空港事務所長は、「インバウンドの増加によって、2024年は過去最高となる外国人3600万人が成田空港利用した」とし、需要を捉えた新規市場開拓を歓迎した。成田空港の田村明比古社長は、ZIPAIRの低コスト戦略を高く評価し、「日本人の若者が海外を見る機会を増やせる」と語った。
 ZIPAIRは世界10都市に航路を持つ。とくに市場の大きな北米では、これまで、カナダのバンクーバー、米国のサンフランシスコ、サンノゼ、ロサンゼルスの、いずれも西海岸の4都市に展開。今回開設した成田-ヒューストン線は、米国南部では初の航路となる。3月29日までは、火・木・土・日曜日、3月31日以降は月・水・金・土曜日の週4往復便とする計画だ。

 

※写真=ZIPAIRが成田-ヒューストン線を開設