ウイングトラベル
【潮流】中国旅行拡大への動き

昨年11月、日中間で相互のビザ緩和措置が実施されて以来、中国から日本への訪日観光客数は大幅な回復軌道に乗っている。JNTOの発表によれば、今年1月の中国からの訪問客数は前年比135%増の98万人に達し、コロナ禍前の水準に急速に近づきつつある。とくに、春節休暇期間中には、中国国外の旅行先として日本が最も人気の目的地となった。一方で、日本から中国への渡航者数は、ビザ緩和にもかかわらず、まだコロナ前の水準を大きく下回っている状況が続いている。この「不均衡な回復」は、今後の日中観光交流における大きな課題として浮かび上がっている。
この状況を打開すべく、先日都内で「中日観光企業交流会」が開催され、日中両国から旅行会社、航空会社、ツアーオペレーターなど約40社が参加した。中国駐東京観光代表処の欧陽安首席代表は「観光業は一方通行だけでは発展しない」と述べ、双方向の交流の重要性を強調した。中国側は温泉や伝統工芸体験など日本の文化観光体験を組み込んだ多面的な訪日旅行商品の開発に意欲を示す一方、日本側も上海ディズニーランドを軸にした商品開発の動きが徐々に活発化している。