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★IATA、事故率は5年平均上回るも前年から後退

2024年安全報告書「事故は稀れ、改善している」
国際航空運送協会(IATA)は2月26日、2024年の年次安全報告書を発表した。それによると、航空業界は2024年も安全性は全体的に高いパフォーマンスを維持し、いくつかの主要指標では5年平均を上回る改善が見られたものの、2023年の例外的な実績からは一歩後退する結果となった。
2024年の全事故率は100万便あたり1.13(88万便に1件の事故)で、5年平均の1.25を下回ったが、2023年の1.09からはわずかに上昇した。2024年の致命的事故数は4060万便中7件で、2023年の1件、5年平均の5件を上回った。機内死亡者数は244人で、2023年の72人、5年平均の144人と比較して増加した。死亡リスクは0.06と5年平均(0.10)を下回ったが、2023年の0.03の約2倍となった。
IATAのウィリー・ウォルシュ事務総長は「近年の注目を集める航空事故があっても、事故は極めて稀であることを忘れてはならない。2024年には4060万便が運航され、そのうち致命的事故は7件だった。さらに、航空安全の長期的な傾向は継続的に改善している」と述べ、10年前の5年平均(2011-2015年)は4560万便に1件の事故だったのに対し、現在の5年平均(2020-2024年)は81万便に1件まで改善していることを強調した。
主な安全性に関する考察として、以下の点を挙げた。
第1に、紛争地域リスクの上昇として、カザフスタンでの38人の死亡者、スーダンでの5人の死亡者と紛争地域での2機が墜落した。
※写真=IATAが2024年の安全報告書発表