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大分県、宇宙港実現へ民間支援など土台作り加速

宇宙産業育成活発化、大分空港拠点に宇宙へ
大分県が、宇宙産業の誘致・育成に力を入れている。海に面し東側が開けているという、ロケットの打ち上げに極めて重要な条件を満たした大分空港を目玉に、すでに米航空宇宙企業などと協力を結び、宇宙港の実現に向け動き出している。併せて県内企業に対して、宇宙関連事業への参入に向けた講習会や商談会の機会を設けるなど、県を代表する産業に育てるための土壌作りにも着手。県内の小中高生向けにワークショップを開催したり、高校に宇宙専門コースを設けたりと、人材育成にも積極的だ。行政を旗振り役に成長産業の集積を図り、宇宙分野での存在感を高める。
大分県が本格的に宇宙分野への挑戦に乗り出したのは、2017年のこと。17年に、県内企業4社が参画して開発された地球低軌道環境観測超小型衛星「てんこう」の打ち上げが18年に成功したのを皮切りに、20年には米航空宇宙ベンチャーのバージン・オービットと、大分空港を活用した人工衛星の打ち上げに関する基本合意書(MoU)を締結。その後、バージン・オービットがチャプター11にて破産し先行きに暗雲が広がったが、同時期の24年に米航空宇宙ベンチャーのシエラ・スペースと、打ち上げ後再度地上に着陸できる同社の宇宙船「ドリーム・チェイサー」の大分空港を用いた活用検討についてMoUを締結し、現在準備を進めている。