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2025.03.10

WING

東京理科大、宇宙居住環境構築へ研究加速

 向井氏「宇宙で生まれた技術を都度地球へ還元」
 
 東京理科大学が、宇宙分野の開拓で存在感を高めている。「宇宙空間での居住環境構築」を大目標に掲げ、人間の健康維持や放射線・有害物質対策、地球外での食糧・エネルギーサイクルの構築といった先進的なテーマに目下取り組む。今年は国際宇宙ステーションにて、企業やアカデミアと共同で開発した環境計測センサーの実証を行うため、2回の打ち上げを控える。日本の宇宙開発を先導するリーダーとして、期待が掛かる。
 同大のスペースシステム創造研究センターを中心として、①閉鎖環境下での肉体・精神の健康維持システム開発②放射線計測ネットワークと放射線による人体影響を低減する医薬品の開発③光触媒による水・空気の浄化と有害物質除去技術の開発④宇宙での食糧生産のための栽培及び肥料製造技術の開発⑤月面の自然環境を利用したエネルギーサイクルの開発―の5つを柱に研究開発を進める。
 アジア人初の女性宇宙飛行士として、スペースシャトルに2回搭乗した同大の向井千秋特任副学長兼スペースシステム創造研究センタースペース・コロニーユニット長は、「長期的かつ先の読みにくい研究・開発になるため、生まれた技術を随時地球に還元し都度リターンを得ることで、持続的な取り組みにしていく」と意気込む。