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2025.03.13

WING

エアバス、供給網強靭化へ日本産業界に熱視線

 マルチソース化に商機も、市場シェアは30年に50%

 エアバスの国際戦略担当エグゼクティブ・バイスプレジデントのヴァウター・ファン・ヴェルシェ氏が3月12日、都内で報道陣の取材に応じた。このなかでヴェルシェ氏は今回の来日の目的の一つが、エアバスのサプライチェーンの更なる強靭化に向けた日本の航空機産業界との連携であることに言及。「世界が求める機材を提供し続けていくためにもパートナーは必要。パートナーになるようなところ、調達先を探しており、今回の来日の目的は、そうしたパートナーを探すことを含めたミッションとして来日した」とし、「日本の有する突出した技術・能力に関し、エアバスは様々な日本の企業、研究機関あるいは大学との間での交流、そして共同開発機会をこれからも模索していきたい。より緊密な協力の下、ウィン・ウィンとなる関係を実現していきたい」と話すなど、日本の航空産業界との更なる関係深化を実現することに意欲をみせた。
 そのヴェルシェ氏は、足下で日本の航空会社からの受注が拡大し、日本市場におけるエアバス機のマーケットシェアが急速に伸びてきた現状を説明。今日では日本の航空会社が運用している機材の3割がエアバス機となっていることに触れ、「日本航空(JAL)、全日本空輸(ANA)からの受注残分を納入すれば、市場シェアは35%に達する」とし、「現状で満足している訳ではない。2030年には市場シェアを50%まで拡大させていきたい」と話し、その目標達成に向けて日本の航空会社パートナーとの関係も一層密なものとしていくとの考えを明かした。
  なおヴェルシェ氏は2024年1月1日付で現職の国際戦略担当エグゼクティブ・バイスプレジデントに就任。1994年にエアバスに入社して以降、国際マーケティング、プロジェクト管理分野で要職を務めた。その後、一旦、エアバスを離れるも、2020年に欧州地域および営業担当エグゼクティブ・バイスプレジデントとしてエアバスに復帰した。現在、エアバスの民間航空機、ヘリコプター、そして防衛宇宙におよぶ幅広い領域でグローバルな戦略立案を所掌している。

※この記事の概要
・日本からの年間調達額23億ドル超
 さらなる産業連携拡大に関係深化を
・水素航空機の就航目標後ろ倒し
 規制とインフラがボトルネックに
・FCASとGCAP統合は?
・装備庁のユーロドローン参加を歓迎

 A330MRTT・A400Mの売り込みも   など