ウイングトラベル
★JATA、カスハラに対する基本方針策定

会員に独自方針策定と外部公表の検討提案
日本旅行業協会(JATA)は、「カスタマーハラスメント(カスハラ)に対する基本方針」を策定し、3月12日に会員各社へ周知したことを発表した。基本方針ではカスハラの定義や12の具体例を示した上で、顧客対応や社内対応、カスハラに対する責任と義務について明示した。この方針は、旅行事業者の従業員のみならず、企業経営者やフリーランスを含むすべての就業者に対し適用されることになる。これにより従業員一人ひとりの人権を守り、健全な旅行業界として質の高いサービスを持続的に提供できるよう推進していく。
労働契約法では、企業に対しては従業員の安全配慮義務が定められているところだが、厚生労働省は昨年12月にカスハラから従業員を保護する方策を義務付ける方針を示した。さらに東京都も「東京都カスタマー・ハラスメント防止条例」を4月1日から施行することとしている。
旅行業界においてもカスハラはかねてより課題とされていた。このためJATAは、会員会社の経営者に対してカスハラ対応の状況や取り組みの実態に関してアンケートを行い、241社から回答を得た。
それによると、約10%の会社がカスハラ対応に迫られていることが判明。特にコールセンターなどの電話応対業務、店舗等接客業務、添乗業務の場面で多く発生し、過剰要求や無理な要求、長時間の執拗な主張、暴言・詰問といったカスハラ被害にあっていることがわかったという。
※写真=記者発表で「カスハラに対する基本方針」について発表したJATA消費者相談室の鈴木宏治室長