記事検索はこちらで→
2025.03.21

ウイングトラベル

★JAL中計ローリングで最終EBIT2000億円達成へ

 機材更新で国際線規模拡大、28年度2300億円も

 日本航空(JAL)の鳥取三津子社長は3月19日、グループの中期経営計画ローリングプランについて会見し、今年度通期は予想通りEBITが1700億円を達成する見込みで、旺盛な海外需要を取り込み、国内線の収益性改善を図った上で、マイル・ライフ・インフラ領域の拡大などに取り組み、計画最終25年度には2000億円の達成を目指す考えを明かした。さらにその後、低燃費機材の導入を加速化させて国際線の事業規模を拡大し、28年度にはEBIT2300億円の達成を目指すとした。

 これまでJALでは、コロナ禍後の環境変化にも対応するように機材の刷新を進めて持続可能なネットワークを構築し、貨物専用機の導入による社会問題の解決を目指すなど、事業構造の改革を進めてきた。ESGを最上位の戦略に位置付けて、今年度目標のEBIT1700億円達成を見込む。

 その上で25年度には、LCCやマイル・ライフ・インフラを成長のドライバーとして利益を拡大させ2000億円のEBIT達成を図る。

 主戦力のフルサービスキャリアでは、環境負荷を抑えつつネットワークの維持・拡大に努めるとして、特に旺盛な海外発需要を獲得していく構え。24年度の国際旅客事業では売上6910億円を見込むが、25年度に目指すのは7150億円。そのうち半分の50%を海外地区から取り込む考えだ。国内線旅客事業では、レベニューマネジメント強化を継続させてイールド向上を図る。同時にインバウンドの地方誘客にも力を入れる。24年度に国内線を使ったインバウンド旅客は114万人になるが、25年度には150万人へ拡大させる。海外でのウェブ販売機能やOTA販促を強化するほか、インバウンド向けのサービス拡充、外航とのコードシェア拡大を進める。鳥取社長は特に、4月に開催を控える大阪・関西万博に注目。「万博をきっかけに地域への送客へ尽力したい」とした。

 成長ドライバーとして期待されるLCCでは、好調なZIPAIR TOKYO(ZIP)の事業規模拡大に力を入れる。25年度には供給を23年度比で約3割増やし、中・長距離で2倍近い需要拡大を図る。スプリング・ジャパン(SJO)では、回復著しい中国線の需要を取り込むため、国際線の供給を2.6倍超まで拡大する。ジェットスター・ジャパン(JJP)でも国際線の供給を2倍にするとして、中国路線や近距離アジア線を拡大する。またマイル・ライフ・インフラでは、日常でマイルを貯める機会を増やして、非航空事業の核として成長させる。

※写真=会見で今後の計画を説明するJALの鳥取社長