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2025.03.21

WING

航空燃料不足問題、通算週500便分程度の供給増に目途

 給油人材不足、関空夏ダイヤで週22便分就航・増便至らず
 
 「航空燃料供給不足への対応に向けた官民タスクフォース」の5回目の会合が3月19日に開かれた。このなかで資源エネルギー庁と共に事務局を務めている国土交通省航空局は、石油元売会社や商社などの取り組みで、昨年7月に打ち出した緊急対策で目標とした週150便超を大きく上回る、週500便程度の燃料供給に目途が立ったことを明らかにした。
 航空燃料供給不足問題は、新型コロナパンデミックからの回復に加え、旺盛な訪日需要によって国際線の運航が急拡大したことによるもの。労働規制に伴って物流を担うドライバー不足が顕著となるなか、ローリーや内航船のサプライチェーンがひっ迫し、さらには給油作業者の不足が影響した。
 そこでタスクフォースは緊急対策となる行動計画を策定。「週150便超」という航空燃料供給量増加目標を打ち出した。その後、昨年9月に同タスクフォースの4回目の会合開催時には、石油元売りおよび商社などの取り組みにより、「週200便以上」の燃料供給目途が立ったことを明かしていたが、今回の5回目の会合で、これまでに通算で「週500便程度」の燃料供給量増加の目途が立ったことを明かした。この結果、第4回会合で明かされていた就航・増便に至っていなかった週63便については、いずれも問題を解消したという。
 ただ、足下で旺盛な訪日需要に拍車がかかっており、国際線の就航便数が急激に上昇してきている。この結果、関西国際空港において給油人材不足などが要因で、2025年夏ダイヤ中、エアラインが就航・増便を希望しても、現時点で確定できていない事例が週22便あることが判明した。