ウイングトラベル
★ブランドUSA、スポーツツーリズムセミナー開催

観戦と体験両立可能な旅行の魅力を訴求
ブランドUSAはこのほど、観戦や体験を通じて観光を盛り上げている「スポーツ」をテーマにした旅行会社向けセミナーを開催した。セミナーでは、コロナ禍を経てスポーツ観戦を目的とした日本人旅行者の渡航が増加基調にあることを触れつつ、スポーツ観戦に加え、多彩なスポーツアクティビティ」の体験が可能なデスティネーションが全米各地に点在していることをアピールした。
セミナー冒頭で挨拶を行ったブランドUSAのグローバルトレードディベロップメントシニアディレクター(アジアパシフィック地区)のスージー シェパード氏は、スポーツは人々と文化を結ぶとても有効な役割があり、アメリカには特に独特のスポーツ文化があると紹介したうえで、「現在アメリカには様々なスポーツチームがあり約30人の日本人プロ選手が活躍している。私も先日東京でMLBの開幕戦を観戦したが、一打球目でホームランを打った大谷翔平選手の活躍は素晴らしく、それを応援する日本人のエネルギーにも圧倒され、改めて日本人のスポーツ愛に触れることができた。アメリカはさまざまな地域でスポーツの観戦や体験を楽しむことができるので、ぜひ多くの人に現地に訪れてもらい、アメリカでのスポーツ観戦文化も楽しんでほしい」と日本人のスポーツ観戦への意識の高さを指摘し、今後のスポーツ旅行促進への期待を語った。
米国への日本人渡航回復基調、今後に期待
スポーツ観戦など目的を持った旅行者が増加
続いてブランドUSA日本事務所の旅行業界担当ディレクターである高久渉氏は、現在の日本人のアメリカ渡航状況について、2024年の日本人のアメリカ渡航者数は、前年比22%増の184万3879人となったが、コロナ前と比較すると49%の回復率となっていることを報告した。
その上で、「渡航者数を海外マーケット全体と比較するとコロナ前はずっと2位だった日本だが、2024年は英国、インド、ドイツ、ブラジルに次いで第5位だった。2022年が11位、2023年が7位だったことを考えるとスローペースながら徐々に回復傾向にあるといえる。また最新のデータでは2025年の2月単月では2位といううれしい報告もあるので、引き続きアメリカへの渡航促進を進めていきたい」と今後の回復への期待を述べた。
さらに、「最近の傾向として、ロサンゼルスでは野球観戦を目的とした旅行がコロナ前の72%の回復を達成するなど、スポーツ観戦などの目的を持った旅行者は積極的に渡航する傾向が見えてきている。こうした傾向をもとに、スポーツなどテーマのある観光促進を進めていきたい」と意気込みを見せた。
これらの現状を踏まえて高久氏は今後伸びが期待できるスポーツをフックにしたアメリカへの渡航促進について現在の取組みについて紹介した。
今後アメリカでは、2026年にWBC(ワールドベースボールクラシック)が開催され 2026年には「FIFAクラブワールドカップ」もカナダ、メキシコとの共同開催が予定されている。また2028年にはオリンピック、パラリンピックがロサンゼルスで開催されるなど世界的に大きなスポーツイベントを多く控えている。
それだけにとどまらず、米国では4大スポーツと呼ばれるNFL(アメリカンフットボール)、NBA(バスケットボール)、MLB(野球)、NHL(アイスホッケー)の本拠地が全米各地に点在し、熱戦を楽しむことができる。
このほか最近では、世界的プレーヤーのリオネル・メッシ選手が加入したことでサッカーリーグのMLS(メジャーリーグサッカー)の関心も高まっているという。
最後に高久氏は、「アメリカは、観戦だけでなく体験型スポーツも多く、ランニング、サイクリング、ダイビング、スノースポーツ、SUP、乗馬など大自然の中で行うことができる体験も多い。つまりスポーツをテーマにしてプランを組んでも十分に充実した旅行を提案することが可能だ」と話し、スポーツを切り口とした日本人の米国旅行需要のさらなる拡大に対して期待を込めた。
※画像=冒頭で挨拶を行ったブランドUSAのグローバルトレードディベロップメントシニアディレクターのスージー・シェパード氏