ウイングトラベル
【潮流】「もっと海外へ!」もっと予算を

観光庁、外務省、日本旅行業協会(JATA)の3者は3月24日に共同会見を開き、コロナ禍を経て回復が遅れている日本人の海外旅行需要喚起を図るため、「もっと!海外へ宣言」を共同で出した。同日から新しいパスポート「2025年旅券」の申請受付が開始されたことや4月の大阪・関西万博で多種多様な海外パビリオンの出展やイベントが行われ、海外への関心が高まるタイミングを契機と捉え、海外旅行の機運醸成を図るとした。
かつて観光庁は観光立国推進基本計画で、2010年に訪日外国人旅行者数を1000万人、日本人の海外旅行者数を2000万人、国内の観光旅行消費額を30 兆円とする目標を立てた。いまやインバウンドとアウトバウンドが逆転して隔世の感があるが、そんな時代もあった。
その当時の海外旅行者数を見ると、2009年は1545万人で、2000年の1782万人に遠く及ばず、年間2000万人の達成が旅行業界全体の悲願だった。その目標は2019年に2008万人と達成するが、その当時はSARSや新型インフルエンザ、世界的な景気低迷で2007年から3年連続して日本人海外旅行者数が減少していた。