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2025.04.28

WING

ANA、サメ肌フィルムで777旅客機の燃料消費削減

 年約250tの消費量削減、CO2も約800トン減に

 

 全日本空輸(ANA)は4月26日、サメ肌の構造を模したリブレット加工フィルム「AeroSHARK」を貼付した777-300ERの運用を国際定期便で開始した。その運航初便は羽田発ロンドン・ヒースロー行きのNH211便(JA796A)だ。この運航に先立ってANAは、昨年9月に同様のフィルムを貼付した777フレイター(JA771F)の運用を国際貨物定期便でスタートしており、当初想定通りの燃費削減およびCO2排出削減効果を得ているとのこと。今回の777旅客機の就航で、世界で初めて旅客機とフレイター双方で運用を開始したかたちだ。
 同日、ANAは羽田発ロンドン・ヒースロー行きのNH211便の出発ゲート付近に、リブレット加工フィルムに触れることができるコーナーを設置。同便に搭乗する旅客などが、フィルムに触りながらANAスタッフの説明に耳を傾けた。
 なお、NH211便は10時04分に出発。210名(うち幼児1名)の旅客と乗員16名を乗せて、一路、ロンドンへと飛び立った。

 

 1機あたり2千枚のフィルム貼付
 添付部位合わせ角度変化など工夫

 

 生粋のハンターであるサメは、巡航時こそ時速8km程度とされるが、獲物を追いかける際には時速約40kmもの高速で水中を泳ぐことができるとされる。その高速の泳ぎを可能にしているのが、サメ肌だ。サメの肌は、小さな突起(リブレット)と呼ばれる微細な鱗で覆われており、これにより水の流れを制御し、摩擦抵抗を低減している。

 

※写真=フィルムの導入の企画を推進したANA整備センター技術部787フリートチームの松井宏司朗氏

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