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ANAHD、フィリピン航空親会社と資本・業務提携に調印
グラハンや機内食受託に期待、JV展開は「白紙」
ANAホールディングス(ANAHD)は2月8日、フィリピン航空を傘下に持つPALホールディングス(PALHD)との間で、資本・業務提携締結の調印を都内で行った。この調印でANAHDは、PALHDの株式9.5%を9500万ドルで取得。従来からANAとフィリピン航空は、コードシェアなどで協力してきたが、今回の資本・業務提携によって、その関係を一層深化していく。
フィリピン航空は1941年に設立されたアジアで最も長い歴史を有する航空会社。フィリピン-日本間の運航実績は日本の航空会社よりも長く、マニラ-成田線は今年1月26日に就航70周年を迎えた。現在ではフィリピンと東京(成田・羽田)、大阪、名古屋、福岡、札幌にそれぞれ路線ネットワークを有しており、週84便を運航中だ。
そのフィリピン航空とANAは、2014年からコードシェアおよびマイレージ提携、空港業務の相互受委託を進めるなど、提携を深めてきた。今回の資本・業務提携によって、さらに一段深い提携関係を構築することが出来る様相で、ANAでは「羽田で展開しているフィリピン航空に対するグランドハンドリングを、他空港にも拡大していくこと。さらには、羽田・成田を中心としたケータリングで提携して頂ければ」(ANA平子裕志社長)など、資本・業務提携による周辺事業の受託拡大に期待を寄せているところだ。
ANAHDの片野坂真哉CEOはPALHDに対する出資について、「フィリピンの国としての成長、フィリピン航空の国際線・国内線の発展性について、ANAグループとしても資本を注入することで提携を深め、ハンドリングの拡大や互いにマーケティングするなど、非常に効果が高いと判断した」と説明。将来的に独占禁止法適用除外によるジョイント・ベンチャーの展開していく可能性については、「全く白紙」とコメントした。
一方、フィリピン航空のハメイ J.バウティスタ社長兼最高執行責任者(COO)も「他の国からも我々に対する出資に関心を寄せるところはあった」ことを明しながら、最終的にANAをパートナーに選んだ理由として、「ANAがベストなパートナーだからだ。PALが成長していくために、(両社は)新たな提携の時代に入った」との認識を示した。
バウティスタ社長、クラーク、パングラオ、ワオなど検討
片野坂CEO、フィリピンのポテンシャルに確信
平子社長、「提携強化で需要創出効果に期待」
PALHD、タン取締役「新たな時代を切り拓く」
バウティスタ社長、「両国民に大いに裨益」
※写真=資本・業務提携を締結したANAHD、PALHD。これによりANAとフィリピン航空はより深い関係を構築する
※写真=調印に署名するANAHDの片野坂CEO(右)とALHDのマイケル G.タン取締役