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2019.02.15

WING

IATA、昨年の旅客需要6.5%成長も後半失速

英EU離脱や米中貿易紛争など先行き不透明感

 国際航空運送協会(IATA)がこのほど発表した2018年暦年の世界の航空旅客動向によれば、需要の伸びを示す国際線・国内線平均のRPK成長率は、前年と比べて6.5%増加と堅調な成長がみられたことが明らかになった。ただ、その成長速度は2017年に記録した8.0%に比べると減速している様相だ。なお、座席供給量の伸びを表すASK成長率は6.1%増加。これにより平均ロードファクターは0.3ポイント増加と、わずかながら上昇した81.9%となった。
 IATAによると、昨年12月のRPK成長率は5.3%増と、2018年1月以降、最も成長スピードが緩やかな月となった。2018年は後半にかけて需要の伸びが減速してきており、12月のRPK成長率は、そうした結果を裏打ちする結果となっている。
 IATAのアレクサンドル・ドゥ・ジュニアックCEOは「2018年は力強い需要の伸びがみられた年であり、航空輸送は引き続き世界経済を支えてきた」との認識を示しつつ、一方で「それでも2018年後半の成長の鈍化は、Brexitや米中貿易の緊張を含む問題に対する懸念の表れとして、今後に対しても一定度の不確実性を生み出している」と、堅調な成長がみられつつも、その先行きには不透明感が拡がっていることに言及した。