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★速報=FAA、Trent1000パッケージC問題でETOPSを140分に
JCABもTCD、ANAは66台のパッケージC保有
米連邦航空局(FAA)は4月17日(現地時間)、Trent1000パッケージCエンジンの問題で、同エンジンを搭載した787-8型機および787-9型機のETOPSを140分に規制する、耐空性改善命令(AD)を発した。これを受けて日本の航空局も、4月17日夜には同様の内容の耐空性改善通報(TCD)を発行。787型機のETOPSは、2014年5月には最大330分ETOPSが承認されていたが、当面の間、大幅に制限されることになった。パッケージCを導入している全日空(ANA)によると、ANAでは現在、計66台のパッケージCを保有しているとのこと。ANAのETOPSは180分ETOPSであって、国内線への影響はないと思われる一方、洋上やシベリア上空などを飛行する国際線では影響が発生するかもしれない。ANAとしては4月18日現在、「航空局の指示内容を確認している。また、関係部署で運航に対する影響を調べている」段階にあるとコメントしている。
そもそもETOPSとは、飛行中の双発機で、万一、エンジンの1発が不作動状態となったとしても、巡航速度で60分以内に代替空港へと緊急着陸をすることが可能なルートを取るというルール。技術の進歩に伴ってエンジンの信頼性が向上した結果、180分ETOPSや207分ETOPS、330分ETOPSなどといった規定も作られた。ETOPSが短くなることで、ルート選定などに影響が出てくることになりそうだ。
Trent1000パッケージCの問題の端緒は、去る2016年8月25日に、ANAの787型機において、離陸直後に中圧タービンブレードが破断。その後の調べで、表面コーティングに不具合がみつかり、中圧タービンブレード表面に大気中の化学成分に起因する硫化腐食が発生し、この腐食を起点として疲労腐食が発生し、運転サイクルを重ねると、亀裂が進行してしまうというもの。ANAは当時、エンジン交換サイクルを通常よりもかなり早める措置を講じて、安全性を確保した。8月に発生した不具合は国内線運航の際に発生したものだったが、その後の調べで、国際線で2・3月に同様の事例が発見されていたことも明らかになっていた。
ただ、既報のように、去る4月13日(英国現地時間)に、ロールス・ロイスがパッケージCの追加検査が必要になることを正式に表明。「コンプレッサーの耐久性を深く理解した」ことによって、追加検査の必要性があることが浮き彫りになっていた。
※画像=Trent1000エンジン。FAAのETOPS制限でエアラインに運航に影響が出てくることになりそうだ(提供:ロールス・ロイス)