WING
国際ドローン展が幕張で開催、産業利用に焦点
NEC、ドローン運航管理サービスの研究を紹介
「第4回国際ドローン展」は4月18日、千葉県の幕張メッセでスタートした。この展示会は日本能率協会主催により複数テーマが同時開催となるもの。ドローン展では48社が出展し、特にドローンの産業利用に焦点を当てる。今後様々な業界で活躍が期待されるドローンの可能性が垣間見える内容となった。そのほか、同時開催の展示会の1つ「第3回駅と空港の設備機器展」では、公共輸送のサービス向上につながる製品などが展示され、次世代の交通インフラの実現に貢献する。
ドローンの産業利用は、このところ急速に拡大していて、空中撮影のみならず、インフラの点検・メンテナンスや、警備・監視、災害対応、測量など、多岐にわたる。中でも、今後法整備が進み、活用が期待されるのが物流・輸送の分野で、様々な機関で目視外飛行の実験などが進められている。NECでは、目視外飛行を含む多数のドローン運航管理サービスの研究を展示する。この研究は、一部が新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託業務として取り組むもの。情報管理、飛行経路策定、飛行物体の監視を行い、例えば都市部での小口物流のドローン配送、災害発生時などでのドローと有人ヘリとの共存などが期待される。
NECによると同研究は3ヵ年の計画で、1年目の設計から2年目に入り、福島県の南相馬で研究を進めていく。同サービスが実現すれば、ドローンの運航管理者や事業者に対し、飛行許可申請、飛行禁止空域、運航計画、接近アラート、ドローン・航空機動態、気象、関連NOTAMなどの情報を管理・提供する。ドローンの飛行情報と、飛行させる空域情報を集約管理して、必要な情報を必要なタイミングで提供する。危険状態では警告を出して、事故を未然に防ぐ。また、特定の空域で多数のドローンの飛行計画を管理して、安全かつ効率的な飛行経路を策定する。さらに、地上設置のカメラなどセンサーを使用して、鳥やグライダーなど、飛行体を監視する。
またNECでは、全国でドローン活用サポートを行う。子会社のNECフィールディングが、全国で販売、教育、保守・点検、運用といったトータルな法人サポートを行う。特に同社のインストラクターが構造点検や空撮業務を受託するサービスを開始。同社が所有するドローンを使ってサービスを提供するため、委託側が飛行許可申請や損害賠償保険加入などの手続きが不要となる。
※写真=展示会の様子