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2022.06.30

ジャパンサミット Japan Summit

 

3年年ぶりにジャパンサミット開催
再生型観光商品化へ商談会や体験プログラム

ジャパンサミットがハワイ・コンベンション・センターで開催

 

ハワイ州観光局(HTJ)が主催する「ジャパンサミット2022」が6月6日、7日の両日(現地時間)、オアフ島アラモアナ地区のハワイ・コンベンション・センターで開催された。ジャパンサミットは、日本の旅行会社と現地サプライヤーが一堂に会するトラベルトレードショー。リアル開催は2019年のハワイ島以来3年ぶりで、会場は海外旅行の本格的な再開、ハワイ旅行の商品化に向けて大きな盛り上がりを見せた。とくに6月8日には、ハワイ・ツーリズム・オーソリティー(HTA)、 HTJが進める「マラマハワイ」の再生型観光の商品化へ旅行会社が体験するFAMツアーのプログラムが盛り込まれ、アフターコロナのハワイ旅行の方向性が示された。今回のジャパンサミットには日本から65名が参加し、ハワイ側のサプライヤーは50社約100名など、主催者、メディアなどを含め総勢200名近くが参加する一大イベントとなった。
【取材・文章・写真:編集統括 石原義郎】

会場となったハワイ・コンベンション・センター

 

 

 

 

 

HTJ日本支局長、ここから日本市場回復へ

GWに日本人6571人、驚異のポテンシャル

 

 

最新情報と日本市場への取り組みを語る
ハワイ州観光局ミツエ・ヴァーレイ日本支局長

 

 

 日本とハワイの観光関係者によるプレゼンテーションでは、HTJのミツエ・ヴァーレイ日本支局長が最初に登壇した。「4月にJATA視察団がハワイを訪問され、これをきっかけにいろいろな動きが始まった。4月末には日本ハワイ友好議員連盟が来日、政府間も動き出し、5月初めにはイゲ・ハワイ州知事一行が岸田首相を表敬するなど政界、経済界、観光業界関連の3本柱で日本を訪問し意見交換した。」と述べ、JATA視察団のハワイ訪問を契機に日本市場の再開が動き出したことを強調した。

 同支局長は、ハワイ観光の現状について「2022年は、4月末時点までの全渡航者数が2019年比約84%まで回復している」とし、その理由は米国市場が昨年5月から19年比でプラスに転じ、その後も米本土からの「リベンジ旅行」が好調に推移している。同支局長は「ニューノーマル後のハワイ観光のあり方、商品開発は変わってくる」との見通しを語った。
 日本市場は3月マイナス97%、4月マイナス94%で推移。JATA視察団がハワイを訪問した4月の日本人旅客数は6749人だったが、ゴールデンウィーク(GW)1週間で6571人がハワイを訪問。ハワイに対する日本市場のポテンシャルの高さをGWではっきりと示した。同支局長は「ここからが日本マーケットのリカバリ ーであり、プラスに転じるために皆さんと頑張っていきたい」と参加者に呼びかけた。
ハ ワイの旅行市場のシェアを見ると、2019年は日本が15.3%と国際市場ではトップで、カナダ、オセアニアと続き、韓国は2%、中国は1%。同支局長は「日本マーケットがどれだけ大切かが分かる。とくに、オアフ島は25%、ハワイ島は10%、マウイ、カウアイは2%のシェアで、オアフ島のリテール業者が日本人旅行者の激減で大きな打撃を受けている。今後の日本市場のリカバリーをオアフ島のビジネス全体が心待ちにしている」と強調した。
 日本人のハワイ旅行再開に伴い、航空会社の運航状況は5月90便、6月98便から7月は146便、8月は222便と2倍以上に定期便が拡大する(ジャパンサミット開催時の情報)。7月、8月はそれぞれ1万5000席が増加する。名古屋便が再開、関西便はデイリー化で、航空会社も夏に向けて本格的なプロモーションを展開する。とくに、JALは8月3日から成田-コナ線を再開することを決めた。

 

地域社会と新たな体験の旅行商品造成を

自然環境保全へ事前予約、人数制限拡大

 

 

ハワイ州の観光戦略についてヴァーレイ日本支局長は、「自然保全、文化継承、地域社会、ブランドマーケティングの4本柱は変わっていないが、とくに地域社会の活性化に力を入れている」と強調。地域のコミュニティとともに新しい体験を作り出すことに注力しており、旅行業界もこれからのツアーの再生型観光に向けた商品造成を訴えた。
 そのためのアクションプランとして、各島のサプライヤーとコミュニティが集まり、島の自然保全をしながら観光を盛り上げる「DMAP」を発表している。同支局長は「今後はDMAPと4本柱に沿って啓蒙活動を行っていく」と述べた。
ハワイ州は観光戦略をツーリズム・ブランディングからマネジメント、プロモーションからエデュケーションに方向転換し、再生型観光を進める。そのキーとなるのが人気観光地の事前予約システムの導入で、プラットフォームはこれからも改良を加えていく。

 現在、カウワイ島ハエナ州立公園、ハナウ マ湾自然保護区、マウイ島ハレアカラ国立公園、ダイヤモンドヘッド州立自然記念碑が事前予約制となり、環境保全と混雑緩和のために入場者数が制限された。
ハ ナウマ湾に続き、日本人旅行者にも人気のダイヤモンドヘッドも入場料金、駐車料金が上がり、多い時は1日7000~8000人が登っていたが、これを半数にして、登る人の満足度と安全性を高めていくという。今後、州立公園などのオーバーツーリズムな「ホットスポット」に人数制限などの施策が拡大していくことになる。

 

 

HTJ、日本市場でキャンペーン目白押し

マハロレセプション 東京と大阪で商談会

 

 ハワイ州観光局では、日本市場のハワイ旅行の本格的な再開に向けてキャンペーンを展開する。マラマハワイのハワイ州全体のグローバルキャンペーンはもとより、JATAが7月15日に計画する海外旅行再開キャンペーンと連動して、業界と協力した広告展開を予定している。既に、SNSなどのデジタル広告を展開し、テレビ、雑誌などのタイアップ企画も目白押しとなっている。また、セブンイレブン国内全店のハワイフェアも始まった。
 教育旅行では姉妹都市連携を強化するとともに、出版社とのコラボレーションも計画。隣島ではゴルフプロモーション、ロマンスマーケットではファムツアー実施、若年層マーケットではインフルエンサーキャンペーンを展開する。

 旅行業界とは様々な連携を展開し、ハワイトレーナー養成プログラムの活性化とともに、11月にマハロレセプションを東京と大阪で計画し、日本での商談会の再開を検討している。

 

 

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