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2022.10.25

ドイツ、Withコロナ時代に新たなテーマの観光を訴求【ドイツ観光局】

©Getty, renan gicquel

 新型コロナウイルスの感染拡大以降国際間の移動が長く制限されてきた。しかし、ここにきて世界は「Withコロナ」の考え方にシフト。入国制限が緩和される中で、日本からの海外旅行についても少しずつではあるが再開の動きが見られてきた。そうした中でドイツ観光局はこれまで日本マーケットで人気が高かった都市と文化観光に加え、最近旅行者から関心が高まっているサスティナビリティや自然に着目した新たなテーマの観光を訴求。コロナ前とは違った形のドイツ観光をアピールする。

 

水際規制の緩和で明るい兆し

2023年にはコロナ前の6割程度の回復見込む

 

 

 コロナ禍でストップしてきた日本人の海外旅行だが、日本政府による水際対策の緩和により、20224月に100カ国以上の感染症危険情報レベルがレベル2に緩和した。これにより2022年第2四半期(46月)、ドイツにおける日本人の旅客到着数と宿泊数は日本人の総出国数に比べ高い割合で回復した。

 ただ、ウクライナ情勢や円安、燃油サーチャージの高騰など海外旅行を躊躇させる要件が複数存在することもあるのも実情だ。

 ただ、9月からは海外渡航における大きなネックの1つとなっていた帰国前PCR検査について、ワクチン3回接種を条件に撤廃されることとなった。この決定は今後の海外旅行再開に向けた明るい展望につながる1つの大きな話題といえるだろう。

 ドイツ観光局は水際対策の緩和状況を踏まえて、2022年末までに日本からの旅行者マーケットについてコロナ前の2019年に比べて25%程度の回復を見込んでいたが、規制緩和が進んだことで、もう少し回復が進むことが予測される。さらに2023年にはコロナ前の6割程度の水準となると見込んでいる。

 

地方都市の新たな魅力を探る

 食や文化、匠の技術などを堪能

 

 

 海外旅行の本格的な再開を前にドイツ観光局は、ドイツの旅行に想いを馳せるさまざまな素材をアピールしている。その1つが、ドイツの地方都市の文化や伝統に着目するというものだ。

 ドイツ観光局は2022年の観光キャンペーンの1つとして「German.Local.Culture2022キャンペーン」を展開している。これはドイツの伝統や真の姿に憧れを抱く旅行者に今も生き続けている習慣や手工芸の匠の技はもちえおん、地域特有の郷土料理の楽しみ方を紹介している。キャンペーンサイトでは「匠」「食」「粋」「緑」という4つのテーマで魅力を紹介。ドイツ観光の新たな魅力をアピールする内容となっている。

 また、旅行会社に対してはキャンペーンの内容からおすすめのコンテンツやSNSで反響が大きかった素材ををピックアップして紹介していき、全く新しい観光周遊ルートの造成を提案していく。

©Lookphotos Val Thoermer

 

ドイツは持続可能な旅の先進国

 海外旅行再開のベストデスティネーション

 

これに加えて、新たな時代のドイツ観光を提案する素材としてプロモーションに力を入れるのが、サステイナビリティ(持続可能性)とドイツ国内における自然の魅力だ。コロナ禍にいて健康的なライフスタイルを大事にし、環境に配慮する旅行に対する関心が高まっている。そうした旅行層に訴える素材をPRする。

 サステイナビリティ関連では「Feel Good」キャンペーンを展開する。ドイツはコロナ禍以前から持続可能性に関する取り組みに力を入れており、2002年には政府による持続可能戦略を策定し積極的な取り組みを行っている。

 今回のキャンペーンでは「グリーンシティ」として地方都市の魅力を紹介するほか、環境に配慮した旅をアピールし、ドイツが多様なサステイナビリティ素材を提供しているデスティネーションであることを改めて周知する。

©DZT_Francesco Carovillano

 

  また、自然を求めるレジャー旅行者向けの企画として「Embrace German Natureキャンペーン」も展開。このキャンペーンでは自然とレクリエーションをテーマとし、これまで日本に馴染みが薄かった観光スポットや素材を積極的にアピールしていく。

©DZT_Francesco Carovillano

 

 

オンライン活用したキャンペーン

LINEのチャットボットを活用した企画も

 

ドイツ観光局は今年重点的に紹介する観光素材の魅力をより一層アピールしていくため、さまざまな企画を展開する。

 German.Local.Culture関連では、SNSOTAサイトによりクロスメディアキャンペーンを展開する。今回の企画ではファンタスティック街道をデスティネーションパートナーとして迎え、クリスマスのドイツ観光に着目した各種素材をPRする。

 さらにドイツ観光局のLINEアカウントを使ったキャンペーンも実施している。これは観光局のLINEアカウントと友だちとなると、チャットボットを活用してドイツの観光案内をゲーム感覚で楽しむことができる。ここでは地方や田舎の小さな町や村の魅力を街並み、伝統文化、食文化、サステイナビリティの各テーマから厳選したコンテンツを紹介している。

 自然観光の魅力を訴求するEmbrace German Natureキャンペーン関連では、オンライン旅行メディア「Tabizine」とのクロスメディア企画を実施する。ここでは9月中旬からドナウ川を中心とした東部ドイツ地域を、10月初旬からはベルリンについて、最新現地取材を踏まえて紹介することにしている。

 

 

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