海外へ動き出す日本市場 「さあ、オーストラリアへ」
Interview
オーストラリアの魅力、キャンペーンで広く発信
オーストラリア政府観光局
デレック ベインズ 日本局長
日本オフィスの局長に就任して9月で2年半になります。コロナ禍で積極的な活動ができないなか、日本の旅行業界の皆様とコミュニケーションを取りつつ、今年はやがて始動するプロモーションの準備を進めてきました。
10月20日に「『グッデイ!』ではじめよう、オーストラリア」キャンペーンをローンチしましたが、同じ時期に日本の水際対策が緩和されたのはグッドタイミングでした。CGIアニメのキャラクターを用いたキャンペーンは99%ポジティブに受け止められ、全世界的にも好意的に評価されています。オーストラリア政府観光局ではルビーとルイのキャラクターを長く活用していきますので、旅行業界の皆様も商品造成や販促にぜひご活用ください。
近年、オーストラリアでは日本人気がとても高く、この秋から冬にかけても多くのオーストラリア人が日本を訪れています。
日本市場は動き始めたばかりですが、エアラインの便数が増え、路線が黒字になっていけば、少しずつ運賃も落ち着いて双方向の需要バランスも是正されていくものと期待します。そのためにも、新キャンペーンを機にオーストラリアでのかけがえのない旅行体験の魅力を周知し、日本マーケットの需要喚起につなげていきたいと考えています。
General remarks
海外へ動き出す日本市場
さあ、オーストラリアへ!
今年10月、日本でもいよいよ海外旅行が動き出し、ほぼ同時にオーストラリア政府観光局が2016年以来となるグローバルキャンペーンを始動した。日豪間の航空路線も少しずつ回復してきており、この追い風は待ちに待った好機だ。今こそ市場の目をオーストラリアに引き寄せたい。
2023年6月までには6割回復へ
3年に及ぶコロナ禍で、大きなダメージを受けた海外旅行。日本より早く渡航規制を緩和したオーストラリアでも、今年1~8月のオーストラリアへの渡航者数は対2019年比でわずか20%だったが、8月だけの数字を見ると44%まで回復している。国別でみると日本は6番目で、渡航目的ではビジネスをはじめ、学生やワーキングホリデーの需要が戻ってきている。
オーストラリアでは、今年2月よりコロナ禍における渡航規制を完全に撤廃。レジャーでの入国もこれまで通りで、マスク着用の義務はなく、またコロナの陽性反応が出ても無症状なら隔離は不要となった。日本の外務省による新型コロナウイルスの感染症危険情報もレベル1に引き下げられており、入国に関しては完全にコロナ以前に戻った状態だ。
日本では海外旅行の再開が遅れたため、レジャーの中でもパッケージツアーにおける需要が戻るのはまだ先になりそう。オーストラリア政府観光局のデレック・ベインズ日本局長は、「11月頃にはエアラインのキャパシティも増え、パッケージ商品も増えてくるのでは」と予測する。2023年に向けては、「会計年度末の6月までにオーストラリアへの渡航者数を対2019年比で60%まで戻したい」と目標を語った。
なお、オーストラリアへの入国に際しては、以前と同様に入国ビザETA(ElectronicTravel Authority:電子渡航許可)が必要。アプリをダウンロードし、スマホで簡単に取得できるようになっている。
ETAについて
ETAS(Electronic Travel Authorit y
System)を通じてオーストラリア移民局
に登録し、ETAと呼ばれる電子査証が発
行される仕組み。申請から発給までオンラ
インで完結する電子ビザとなっている。
ETAポイント
● 申請時にはパスポート、電子メールアド
レス、クレジットカードを用意
● 観光、知人・親族訪問、商用いずれの目
的でも取得が必要
● パスポートの残存期間が1年以上あれ
ば、取得日から1年間有効で何回でも入国
が可能。1回の最大滞在日数は3カ月
● オンライン申請手数料としてA$20(約
1600円)が必要
※ETAに関する詳細および最新情報は在日オーストラ
リア大使館のウェブサイトで確認
https://japan.embassy.gov.au/
全世界で新キャンペーン始動
オーストラリア政府観光局は、10月20日に6年ぶりとなるグローバルキャンペーン「『グッデイ!』ではじめよう、オーストラリア」をスタートした。同キャンペーンはオーストラリアの魅力の再認識を目的に、CGIアニメのキャラクターを起用したオリジナルショートムービーなどを制作するという新しい手法で展開。すでに日本を含む多くの国で好意的に受け入れられ、SNSの反応も良好だ。
ショートムービーの「G’day」(グッデイ)は、カンガルーのルビーとユニコーンのルイがオーストラリアのアイコニックな観光名所を探索し、オージー流の温かいホスピタリティーを発見していく旅を描いたもの。オーストリアの魅力を分かりやすく紹介しており、映画「グレイテスト・ショーマン」で知られるオーストラリア人のマイケル・グレイシーが監督を務めた。日本語吹き替え版では、俳優・モデルで本キャンペーンのアンバサダーを務める高橋メアリージュンさんがルビーを、声優の梶裕貴さんがルイの声を担当し、ストーリーを盛り上げている。
旅行会社との連携ツールも提供
オーストラリア政府観光局では、10月20日にショートムービー「G’day」を世界同時公開するとともに、日本ではプレミア試写会を開催した。コンシューマー向けには、キャンペーンと連動したミニ番組「G’d ay オーストラリア」(毎週金曜日22:54~23:00)をTBSテレビ(関東ローカル)にて放映中。オーストラリアの人気都市や自然、文化を紹介する本番組では、俳優の大森南朋さんをナレーターに迎え、2023年3月末まで全25回放送する予定となっている。
また、新キャンペーンはコンシューマー向けイベントの実施、ラジオやデジタル、SNS等のチャネルを使ったプロモーション活動も展開。旅行会社とも連携を図っており、商品造成や販促に活用できるイメージ画像やロゴなども用意しているので、積極的に活用したい。「2023年初頭にはキャンペーンの第2段を展開する」(ベインズ局長)というから、そのタイミングで販促にも一層弾みがつきそうだ。
オーストラリア政府観光局ショートムービー「G’day」の
視聴先はこちら
日本語版「G’day」メイキング動画の
視聴先はこちら
▼旅行会社が活用できるキャンペーン素材のダウンロードはこちら
https://resources.australia.com/site/welcome.me
※登録後、「come and say g’day」を入力・検索すると、素材一覧にアクセスできる
※使用の際はパートナーシップツールキット(ガイドライン)を参照のこと
オージー・スペシャリスト・プログラム(ASP)
新キャンペーンと連動したトレーニングコースも登場!https://www.aussiespecialist.com/ja-jp
認定後も最新コンテンツでオーストラリアの今が分かる
オージースペシャリスト・プログラム(ASP)」は、オーストラリア政府観光局が開発した業界向けのオンライン学習プログラム。認定を取得した後も定期的にオーストラリアの新しい情報をインプットできるコンテンツを毎月更新している。2022年10月より開始した新ブランドキャンペーンに伴って追加されたトレーニングコースでは、オリジナルショートムービー「G’day」で主人公ルビーとルイが旅した各デスティネーションを最新のプロダクトと共に紹介。すでに多くの旅行会社の皆様が受講しており、効果的なフィードバックを得ている。
スペシャリスト認定者向けに対面イベントやファムも計画中!
スペシャリスト認定者のみを対象とした対面イベントや研修旅行も続々と計画されている。12 月には東京と大阪にてディナー懇親会を予定しているほか、来年にかけては現地研修旅行も準備が進められている。これらの情報はすべてオージー・スペシャリスト・ニュースレターにて配信されるので、ニュースレター受け取りの登録も忘れずにしておきたい。