インターナショナルコース新設
英語バスに日本語ガイド同乗
4月からの新商品のもう一つの特色が「インターナショナルコース」だ。これは、EMV社の英語バスに日本語現地係員が同乗し、多国籍の旅行者が同じバスに混乗するコースで、クロアチアやスロベニア、スペインの一部区間で設定した。英語環境のバスをベースとしつつも、日本語現地係員が同乗し、観光地では英語ガイド、日本語ガイドがそれぞれのグループを案内するため安心して参加できる。
EMV社は、もともと英語、スペイン語、ポルトガル語など多言語対応のバスを走らせており、その運用に慣れている。石田氏は、「混乗というとデメリットに感じるかもしれないが、実際に参加してみると、かなりわいわい楽しめる雰囲気。ツアー参加中に国際交流を楽しむこともできる商品はこれまでになかったもので、デメリットをメリットにしていきたい」と語る。
このほか、EMV社の英語バスを「移動手段」として活用する3ルートも設定し、列車の利用も含めてルートの拡張性を高めた。
※写真=多国籍の旅行者が国際交流を楽しめるコースも(イメージ)(画像提供:ヨーロッパムンドバケーションズ)
最長コースはパリ発18日間
ヨーロッパ全域が旅行可能
パンフレットに掲載されている最長コースは、「パリ発 パリとルクセンブルク、ベルギー、オランダ、ドイツ、中欧、プラハまで 18日間」(ランドクルーズパンフレットP70掲載コース)。パリから列車でルクセンブルグへ移動し、ベルギー、オランダ、ドイツ、オーストリア、ハンガリー、スロバキア、チェコを18日間かけて巡る商品だ。
「いくつかのバスを乗り継ぐことで、ヨーロッパ域内を広く周遊できる。今日一緒に観光した人も、明日は別のバスに乗り継いでいく。ランドクルーズの特長を表す意味でも、バスを乗り継げる18日間のコースを設定した」(石田氏)。バスを乗り継いでヨーロッパ全域を巡ることができる「ランドクルーズ」らしさをよく表した商品となっている。
※写真=ドイツのノイシュバンシュタイン城(画像提供:ヨーロッパムンドバケーションズ)
値頃感ある料金設定を実現
6泊8日コースが10万円台〜
「ランドクルーズ」は価格競争力のある料金設定も魅力だ。ヨーロッパ旅行商品として中間的な6泊8日コースが10万円台前半から後半の価格帯となっており、往復航空券を付けて30万円台からヨーロッパ旅行を楽しめる。
インフレや円安、他社競争もあり仕入れ価格は3〜4割高くなっているが、値上げ幅は1〜2割程度に抑えたとして、「十分値頃感のある価格帯になっている」(鈴木氏)と自信を示した。
シーズナリティをみても、ヨーロッパの都市部は夏場のホテルが安くなる傾向があるとして、夏休みの旅行代金の方が安いコースもある。航空券手配を工夫すれば、夏休みでも「ランドクルーズ」でヨーロッパ旅行を手頃な価格で楽しめる。
JTBとHISでツアー販売決定
主要旅行会社に提案中
「ランドクルーズ」の販売戦略については、旅行会社を通じた販売を主力とする。JTBチャネルでは「ランドクルーズ」を組み込んだ募集型企画旅行を『ランドクルーズJTB』として2月上旬から全10コースで発売。また、JTBの海外現地オプショナルツアー「MYBUS」でも主力コースをウェブサイト及び取扱店で販売する。
JTBグループ以外では、株式会社エイチ・アイ・エス(以下HIS)をメインパートナーとして同社の募集型企画旅行でランドクルーズを組み込んだ商品が販売される。全国のHIS店舗でも「ランドクルーズ」を販売する。
また、JTBの提携販売店を通じた販売や、トラベルプラザインターナショナル(TPI)を通じた二次卸販売を行う。
OTAについてはベルトラ、KKdayとパートナーシップ契約を結ぶ予定。JTB、HIS、OTAを主力販売網としつつ、他の主要な旅行会社にも商品化や販売を働きかけていく。
■新たなホームページ開設
ルート検索、料金を自動計算
「ランドクルーズ」では新たなホームページを立ち上げる。新サイトでは訪問都市や出発地、予算などの条件を入力すると、希望するコースを絞り込める検索機能を提供。また、1日単位から購入可能で、組み合わせも自由自在な「ランドクルーズ」を購入しやすくするため、希望ルートの旅行代金を「自動計算」できる機能を搭載する。
顧客は希望するコースを見つけやすく、料金も即時に自動計算できるためユーザーフレンドリー。なおかつ販売店にとっても、ルートを調べたり、料金を計算する手間が省ける。
新サイトは「ランドクルーズ」の仮予約は行えるものの、決済機能は持たせず、予約・決済は「ランドクルーズ」を取り扱う旅行会社で行う。
※「ランドクルーズ」の新サイトURL(随時アップデート中)