インボイス制度と改正「電子帳簿 保存法」への対応機能を提供【日本システム開発株式会社(NSK)】
待ったなしのインボイス制度
今年10月からいよいよインボイス制度がスタートする。新制度は国内取引全般が対象となる消費税に関するものだけに、ほとんどの企業が経理業務等に影響を受ける。もちろん旅行会社も例外ではない。この制度により、取引先に消費税額分を請求したり、他社に支払った消費税額分の仕入れ税額控除を受けたりするには、適格請求書(インボイス)に基づくやり取りが必須となる。対応できなければ適正な経理作業ができず事業者として不適格の烙印を押されてしまうだけに、対応は待ったなしだ。
インボイス制度では、免税事業者(課税売上高1000万円以下)同士の取引を除く、ほとんどの取り引きで適格請求書に基づく税務処理が必要になる。免税事業者であるケースが多い添乗員業務を行う個人事業主との取り引きが混在する旅行会社では税務処理の複雑化は免れない。それだけにとどまらず旅行事業では、キャンセルによる代金返却や割引による代金減額といったケースで適格返還請求書が必要になるなど、インボイス制度に対応して複雑な経理処理が必要となるケースが多い。
これまでになかった新制度ということもあって税理士や公認会計士などの専門家でも判断が分かれるケースもあるほどで、対応に万全を期すには専門家との詳細な検討が必要にあるなど大変な労力が必要だ。
加えて昨年4月に改正となった電子帳簿保存法に則って国税関係帳簿を電子的に保存する仕組みを用意する必要も重なり、多くの会社の管理部門の現場は混乱を余儀なくされているのが実態だ。また小規模企業が個社で対応するには限界もある。
逆にいえば、インボイス制度と改正「電子帳簿保存法」への対応が、旅行業システムの中で解決できてしまうのならば、多くの旅行会社が簡単に対応できることになる。とくに小規模な旅行会社にとっては大変な朗報だ。
旅行業システムTabie(タビエ)に インボイス制度対応機能を標準搭載へ
こうした旅行業界のニーズに応えるため日本システム開発(NSK)は新制度に合わせて、旅行業システムTabie(タビエ)でインボイス制度と改正「電子帳簿保存法」に対応できる機能を開発。改正「電子帳簿保存法」対応機能はTabie(タビエ)の標準機能として搭載予定。インボイス制度への対応機能も10月までには標準機能として搭載する予定で、ユーザーの旅行会社はいずれも追加費用無しで新機能を利用できる(ただしカスタマイズが必要な場合は除く)。
NSKでは、インボイス制度を機に旅行業システムの刷新を図ったり、新たなシステムを検討中の旅行会社にTabie(タビエ)の導入を働きかけていく。また「小規模旅行会社では『10年前に知り合いに作ってもらったシステムをそのまま使い続けている』といったケースもあり、すでにシステム改修もままならない状況となっている場合もあります。今回を機にシステムを検証してみていただきたい」(DX推進本部部長代理・山田健一朗氏)と呼びかける。
人手不足に対応するDX推進も NSKが支援
旅行業界が直面するもう一つの課題についてもNSKは各種ソリューションを用意している。その課題が人手不足の解消だ。コロナ禍によって業界を去った人材は多く、旅行需要が回復軌道に乗りつつある現在は人手不足が大きな課題となっている。
DX推進が人手不足のソリューションとなるが、具体的にどのような対応をしていくべきか悩む旅行会社は少なくないと思われる。そこでNSKは「デジタル関連の困り事を相談いただければ支援する体制を整えています」(DX推進本部本部長・羽鳥一吉氏)という。
たとえば社内でシステム担当を兼任する社員が本来の業務に専念できるよう、システム関連の質問や相談への対応をNSKが肩代わりする「情報システム代行支援」や、単純ではあっても手間がかかる事務作業等を機械に肩代わりさせるための「RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)選定・導入支援」など、旅行会社のニーズに合った支援メニューを用意。DX推進を通じて人手不足解消を手助けしていきたい考えだ。
←前のページ「出張におけるテクノロジーについての考察 ③【アメリカンエキスプレス グローバルビジネストラベル│日本旅行(GBT NTA)】」