「カナダの、その奥へ―。」 高付加価値商品拡充で5社と協力 【カナダ観光局】
カナダ観光局は、日本マーケットにおいて「カナダの、その奥へ―。」のキャッチフレーズのもと、旅行会社5社(アルパインツアーサービス、エイチ・アイ・エス、グローバル ユース ビューロー、JTB、フェロートラベル)と協力、高付加価値商品の拡充に努めている。
カナダ観光局の半藤将代日本局長は本紙とのインタビューの中で「カナダに訪問してくれる旅行者に対して、満足してもらえる旅行を提供していきたい」と説明。「体験価値」または「交流価値」を提供する満足度の高い商品造成でリピーターを増やし、リピーターによる「口コミ」でより多くの優良顧客の獲得を目指す。
高付加価値商品の拡充に向けた旅行会社5社との取り組みは昨年からスタート。開始から1年目が経過。高価格帯のツアーで定員に達するなど、好調な動きを見せている。半藤日本局長は「付加価値の高い商品でカナダならではの体験や交流を通じ、カナダのオープンな魅力を感じてもらいたい」と話す。
「価格競争から価値競争へ」協力旅行会社の拡大に意欲
新しい商品造成にはリスクもある。半藤氏は「協力する旅行会社には複数年にわたるパートナーシップを組んで商品の販促や商品開発、スタッフへのトレーニングをサポートしていく」と説明。1年目で高付加価値商品が出揃ったところで「価格競争から価値競争へ移行する大きな一歩と捉えている」と強調した。
今後の展開としては、「5社にとどまらず、高付加価値商品の提供に賛同してもらうことで協力する旅行会社の数をどんどん増やしていきたい」と意欲を見せる。旅行会社によっては、会社の方針もあり「商品ベース、担当者ベースで高付加価値商品に取り組んでもらっている旅行会社もある」とのことで、例えば「カナダの、その奥へ―。」のロゴ使用を可能とするなど、観光局としても今後旅行会社に協力していく内容について検討していく。
高付加価値商品がカナダの良いイメージに
デスティネーション・マネジメントを推進
またインタビューに同席したカナダ観光局のモリーン・ライリー副社長は「われわれがターゲットとする高付加価値な旅行者が先行して海外旅行を実施する傾向がある」と指摘。そうした旅行者層へ高付加価値の旅行商品を提供することで、「今後カナダ旅行を検討する人に対してのアピールにもつながる。また高付加価値な商品はカナダの良いブランディング・イメージの向上にもつながる」と述べ、大きな効果が期待できるとした。
一方、高付加価値商品を支える上で、受け入れる現地の観光客に対する意識も重要であると言える。半藤日本局長は「カナダ観光局として、観光に対して前向きにとらえてもらえるよう、デスティネーション・マネジメントに力を入れている」とコメント。商品造成、受け入れ側の両面で取り組みを進める意向を見せた。