美味しいヨーロッパ Gastronomy Journey ②
ドイツ、スイス、イタリア、チェコ、ハンガリー、
オーストリア
「白い金」と称され、ドイツで春限定の旬野菜として愛されている。4月中旬からメニューに登場し、6月24日の聖ヨハネの日までの期間限定で味わえる。日本で見かける緑のアスパラガスよりも太く長く、「野菜の王様」とも呼ばれる。茹でたシュパーゲルにオランデーズソースやバターソースをかけ、肉やジャガイモを添えるのが一般的な食べ方。クリーミーなシュパーゲルのスープもぜひ味わいたい。シュヴェッツィンゲン(南西ドイツ)やベーリッツ(ベルリン郊外)、ニーンブルク(ハノーファー郊外)が産地として有名で、各地でフェスティバルも開催される。また、産地を結ぶ「シュパーゲル街道」も存在する。
beelitz.de/spargelfest
スイスでは、古くからこの地域の定番料理として知られ、サン・モリッツ周辺のロマンシュ語圏やイタリア語圏のポスキアーヴォ谷のレストランなどで味わえる。この地域は山深く、独自の保存食が発達し、ビュンドナー・フライッシュ(ドライビーフ)、エンガディーナー・ヌストルテ(日持ちするタルト)、また栄養価の高い栗を使った料理などが人気だ。食文化だけでなく、ドイツ語、ロマンシュ語、イタリア語が入り交じる複雑な地域で、建築や文化もユニーク。サン・モリッツと周辺に点在するエンガディンの谷は、カラフルなパステルカラーのスグラフィット紋様による建築が特徴的だ。
www.myswitzerland.com/ja/experiences/food-and-wine/pizzoccheri
アルバの白トリュフ祭り(国際見本市)は、イタリアで最も古い祭りのひとつで、毎年10月初旬から12月初旬の開催(2024年は10月12日から12月8日まで)。会場となるアルバの歴史地区では、白トリュフの展示や販売が行われる。特にユネスコ世界遺産「ピエモンテの葡萄畑の景観」に登録されているランゲ・ロエロとモンフェッラートから直送される白トリュフが人気。11月13日のオークションの前には、多くのグルメ愛好家が訪れ、ワインや地元の特産品も楽しめるイベントで賑わう。テイスティングを楽しんだ後は、中世の面影を色濃く残したアルバの街散策もおすすめ。アルバへは、トリノ空港から列車で約2時間。
www.fieradeltartufo.org/en
凝固されていない酸味のあるチーズカードを二段階熟成して作られるチーズで、強い香りと濃厚な味わいが特徴。その歴史は15世紀までさかのぼり、欧州の原産地名称保護を受けている。低脂肪かつ高プロテインで健康的な食品としても評価が高い。パンに乗せたり、オイル漬けやフライドチーズとして味わったり、ビールとの相性も抜群。オロモウツは、聖三位一体柱などユネスコ世界遺産に登録された建造物やバロック建築が点在する歴史的な街で、冬はクリスマスマーケットで賑わう。プラハから電車で約2時間半、車で約3時間半。
www.visitczechia.com/ja-jp/news/2024/02/n-controversial-czech-cuisine
薄く焼いたパンケーキに煮込んだ肉を包んだ料理。1958年のブリュッセル万国博覧会のためにハンガリーのシェフが考案した。フィリング(詰め物)には子牛や鶏肉が使われ、シチューのように煮込んだ肉を細かく刻んで包み、上からソースをかける。サワークリームを添えるのが特徴で、優しい味が魅力。料理名とは直接関係ないが、ホルトバージはブダペストの西にある世界遺産の国立公園。デブレッエンとエゲルの間にあり、日本では珍しい水平線や馬術ショーなどが楽しめるほか、野生の馬も生息している。
毎年秋にウィーンで開催されるこの人気イベントでは、歴史的建造物が建ち並ぶウィーンの美しい街並みを眺めながら、高台のブドウ畑を巡り、ワイナリーでワインの試飲が楽しめる。2024年は9月28日と29日の開催。自然環境に恵まれたウィーンは、世界で唯一、商業的な規模でワインを生産している首都で、600ヘクタールのブドウ畑が広がり、約170軒のブドウ栽培農家がある。訪れる人々は、秋の爽やかな風を感じながらワインとハイキングを堪能できる。コースは4つあり、イベントに限らず通年で楽しめる。
www.wien.info/en/dine-drink/wine/wine-trail-366076
←前のページ「美味しいヨーロッパ Gastronomy Journey ①(ポルトガル、フランス、モナコ、スペイン)」