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2024.11.13

教育旅行(探究学習の目的地としてハワイを訴求)

ハワイ州観光局、文科省と共同で
教員向け視察を実施
探究学習の目的地としてハワイを訴求

 

ハワイ州観光局(HTJ)は、文部科学省が展開する官民協働の海外留学促進キャンペーン「トビタテ!留学JAPAN」との共催事業として、「【高校等教員向け】探究型海外研修企画のためのハワイ視察プロジェクト」をスタート、その第一弾となる教員向け視察を今年7月下旬に実施した。より高い学習効果を求め、探究学習型の海外教育旅行へのニーズが高まる中、探究学習の目的地としてのハワイを訴求するのが狙いだ。

 


全国各地から教員が参加
事前に視察プランを発表

 

 今回のプロジェクトは、「時代に合った学習効果の高い探究型海外研修を教師が自らプロデュースする」をテーマに企画されたもの。「トビタテ!留学JAPAN」では、留学促進の一環として、留学の「きっかけ」となる学校主催の海外研修をサポートしており、ハワイを教育旅行先として誘致を進めるHTJの意向と一致し、プロジェクト実現に至った。
 プロジェクト対象は、「新たな探究型研修を創出する意欲、遂行能力がある」高等学校教員で、1年半~3年程度以内にハワイへの海外研修の実施を求めている。今年4~5月に募集し、募集人数10名のところ、多数の応募者を集め、第一弾として12名を選出した。
 選ばれた12名の教員は、北は北海道から南は九州まで、国公立や私立、また国際系の学校やSSH(スーパーサイエンスハイスクール)、工業高専、中等教育学校など、実にさまざま。年齢層も30~50代とバラエティー豊かな教員が集まった。
 6月には事前のワークショップをオンラインで実施。各教員は、海外研修の状況やどんな海外研修にしたいか、また研修を有意義なものとするため、現地でのフリー視察に何をするのか、それぞれのプランを発表、意見交換を行った。

 

■1日目

 

戦争と平和、ハワイの歴史文化
自然との共生をテーマに視察

 

初日は、パンチボウル国立太平洋記念墓地やダウンタウン散策など、戦争と平和、ハワイの歴史文化について視察。昼食はダウンタウンで飲茶を体験し、移民文化に触れた。その後、ポリネシア航海協会を訪問し、
「ホクレア」のプロジェクトについて学習。星や波などを判断しながら進む伝統的な航法で日本を含む太平洋各地を航行するホクレア。留学中に日本人として初めてクルーとなった内野加奈子氏の話に耳を傾けたり、また実際にホクレアに乗船して
舵を切ったり、有意義な体験となった。

 

イオラニ宮殿

ホクレアを見学、実際に体験

 

■2日目

 

ハワイ大学とビショップミュージアムで
さまざまな学習素材に触れる

 

 2日目はハワイ大学マノア校へ訪問。同大学経済学部教授、経済学研究科委員長、社会科学部国際連携担当顧問の樽井礼氏からは、大学の紹介、サステナビリティと経済学研究の切り口から、気候変動による海面上昇がハワイ経済や社会にどう影響を与えているか、またオーバーツーリズムの影響などについて、具体例やデータを交えながら説明を受けた。
 また大学でアスリート教育を手掛ける部署で活躍する高田祐太郎氏がスポーツ関連施設を案内。1万5000名以上を収容できるスタジアムをはじめ、さまざまな施設を見学した。
 医学部キャンパスでは、ハワイ大学がんセンター・がん疫学部で疫学専門家として活躍する岡田悠偉人氏より、がんセンターや大学院の特徴などの話、また気軽な運動習慣を身につけるためにスタートした自転車レンタル事業についての解説も受けた。岡田氏との話の中では、働き方やイノベーションを生み出す環境づくり、大学と自治体とのまちづくり連携など、医療に限らず、幅広い話題が上がった。
 大学でのランチの後は、ビショップミュージアムを視察。カメハメハ王朝の数奇な歴史ストーリーについて、ハワイ大学を卒業した日本人ガイドの解説を受け、見識を深めた。

ハワイ大学

 

■3日目

 

ハワイ島への弾丸研修も
それぞれが独自のフリー研修を実践

 

 3日目はフリー視察として、参加者それぞれが事前に計画したプランを遂行。いわばこの日がプロジェクトのテーマである「時代に合った学習効果の高い探究型海外研修を教師が自らプロデュースする」を実践する日となった。
 例えば、宇宙や自然環境に関心の高い学校は、日帰りでハワイ島を訪問。ヒロ高校の訪問と先生との交流、伝統的な魚の養殖池の再生プロジェクトの視察、さらに「すばる望遠鏡」山麓施設では研究者からの参加型講義を受けるなど、盛りだくさんの内容となった。
 また移民や多文化共生をテーマに、ハワイ日本文化センターを訪問、日系三世の学芸案内員によるリアルな日系人の歩みについての話を受けた教員も。実際に生徒が探究活動することを想定し、公共交通機関だけでオアフ島を移動、クアロアランチでハワイ文化に触れ、日系人の果樹園カフクファームで農業を学んだ教員もいた。

 

■研修1週間後

 

事後ワークショップで振り返り
12月にも研修を予定

 

 研修1週間後には、事後ワークショップをオンラインで実施。今回の現地研修の感想や報告だけでなく、今後実際に海外研修旅行を実施する上での具体的な取り組みをどう進めていくのかを議論した。
 既に研修に参加したいくつかの学校はハワイへの教育旅行を決定、成果が表れた形だ。7月に続き12月も同様の視察を計画し、全国から高等学校、中等教育学校、中学校の教員計9名が参加する予定となっている。

 


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