8つの文化・複合遺産 Cultural Heritage
⑬ウルル‐カタ・ジュタ国立公園
荒涼とした砂漠に現れた褐色の巨岩群
高さ348m、周囲約9.5kmの巨大な一枚岩ウルルと地下で繋がっていると言われているカタ・ジュタで構成される国立公園。類まれなる自然景観に加え、地形学的にも価値が高い。またここは3万年以上前から先住民アナング族の聖地で、“偉大な祖先”が眠る土地として、また神聖な場所として大切に継承されてきた。
DATA: 複合遺産/1987、1994年登録
所在地:アリス・スプリングスの南西約340km
アクセス:エアーズ・ロック空港から車で約10分
⑭ロイヤル・エキシビション・ビルとカールトン庭園
万博に熱狂した時代を今に伝える宝箱
1880年開催の万博のために建築された建物。ビザンチン様式、ロマネスク様式、ルネサンス様式を組み合わせた豪華な建物は、19世紀の万博の影響力を示している。国会議事堂を経て、現在はメルボルン博物館の一部になっている。
DATA:文化遺産/2004年登録
所在地:メルボルン市街
アクセス:メルボルン空港から市内へ車で約30分
⑮バジ・ビム文化的景観
世界最古の水産養殖システムを構築
グンディッジマラ族が6600年以上前から経済基盤を築いてきた場所。石で住居を造り、湿地に水を引き込んだ水産養殖池でウナギの捕獲や貯蔵をしていた。
DATA: 文化遺産/2019年登録
所在地:グレート・オーシャン・ロード近郊
アクセス:メルボルンから車で約4時間
⑯オーストラリアの囚人遺跡群
西欧列強の流刑史をひも解く貴重な足跡
18~19世紀、大英帝国はオーストラリア大陸に数千もの囚人収容所を建設した。往時の植民地政策や刑務所制度を伝える11の施設が世界遺産に登録されている。
DATA:文化遺産/2010年登録
所在地:国内11カ所
アクセス:シドニーやパースなど街の中心部に位置する施設もある
⑰カカドゥ国立公園
無垢なる大自然に抱かれた先住民族の知恵
サバンナやマングローブの森、雨季になると沼地と化す氾濫源など多彩な自然環境を誇る約2万㎢の広大な国立公園。園内には多様な動植物が生息し、特に鳥類の楽園として知られている。見どころは人や動物などを描いた岩壁画。4万年以上も前から人が住み続け、伝統を紡いできた証を見る。
ことができる。
DATA:複合遺産/1981、1987、1992年登録
所在地:ダーウィンの東、約250km
アクセス:ダーウィンから拠点となる町ジャビルまで車で約3時間
⑱ウィランドラ湖群地域
湖底に眠る4万年前の歴史跡
1万5000年から2万年前に砂漠化し、湖底だけが残る三日月形の砂丘エリア。氷河に覆われなかったため、巨大な有袋類や植物、人類最古とされる火葬された人骨などが出土しており、4万年前から続く人類の進化を示している。
DATA複合:複合遺産/1981年登録
所在地:シドニーの西約700km
アクセス:メルボルンまたはシドニーからミルドゥラ空港まで約1時間半から2時間、空港から車で約2時間
⑲シドニー・オペラ・ハウス
シドニー湾を見渡す20世紀建築の傑作
近代建築を象徴する建造物にしてオーストラリアを代表するシンボル。建築家ヨーン・ウッツォンのデザインは独創的かつ複雑で、1973年の開業までに1 4 年の月日を要した。壮麗な建築美が高く評価されており、かつ文化・芸術の発信基地として機能している。
DATA:文化遺産/2007年登録
所在地:シドニー市街
アクセス:サーキュラー・キーや鉄道駅から徒歩5分
⑳タスマニア原生地域
世界一澄んだ空気に包まれる原始の森
氷河期から残る広大な原生地域で、クレイドル・マウンテン-セント・クレア湖国立公園をはじめとする多くの国立公園や保護区を含む。アボリジナルピープルの遺跡が残り、絶滅危惧種のタスマニアン・デビルが生息している。
DATA:複合遺産/1982、1989年登録
所在地:ホバートの北西約100km
アクセス:ロンセストンから車で約2時間